【完全保存版】DaVinci Resolve Fusion ノードベースのコンポジットまとめ|AOV合成から特殊効果まで完全ガイド

3DCGをレンダリングした後の工程「コンポジット(合成)」は、作品の最終的なルック(見た目)や空気感を左右する、非常に奥が深くて楽しいプロセスです。
コンポジットツールといえばAdobeの「After Effects」が有名ですが、そちらはいわゆる「レイヤーベース」のソフトウェア。実は、素材(AOVパス)を細かく切り分けて重ねていく3Dのコンポ作業では、レイヤー数が増えるにつれてタイムラインの管理が複雑になり、破綻しやすくなるという弱点があります。
一方で、映像・CG業界で広く使われているのが、情報の流れを直感的に繋いでいく 「ノードベース」 の仕組みです。
「ノードベースの合成環境を学んでみたいけれど、高価なプロ向けツールを個人で維持するのは難しい……」
そんな時に強くおすすめしたいのが、Blackmagic Design社が提供する DaVinci Resolveの「Fusion」ページ です。
この記事では、私が日々のアニメーション制作の傍ら、いかに効率よく、かつ手軽に絵作りを良くするかを試行錯誤した検証結果をまとめました。MayaのArnoldから書き出したマルチパートOpenEXR(AOV素材)を活用し、Fusionで美しく絵を再構築するための「完全ロードマップ(総本山)」 としてナビゲートします。
各ステップを順に追いながら、ノードベースの面白さと快適さをぜひ体験してみてください!
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口コミを見る【第1部:基礎・素材統合編】AOVの再構築とレイヤー・影の合成
Vol.1:ACEScgでのAOV加算マージの基礎
まずは、バラバラに書き出した素材(AOV)をFusion上で正しく足し算し、1枚の完成画像(Beauty)に再構築する基本のステップです。
現代の業界標準である「ACEScg」カラーマネジメント環境を前提に、Maya+ArnoldでレンダリングしたマルチパートEXRをFusionに読み込み、主要な4つのパス(diffuse / specular / transmission / emission)をノードで加算マージして完璧な絵を再現するまでの手順を解説しています。
関連記事DaVinci Resolve Fusionでコンポジット(基礎編)そもそも「Maya Arnold側での仕込み(AOVの出し方)はどうなっているの?」という方は、サンプリング設定によるノイズ対策からマルチパートEXRの一括出力までを網羅した、もう一方の総本山記事をセットでご活用ください。
関連記事【完全保存版】Maya Arnold レンダリング&AOV出力設定まとめ【エラー・ノイズ対処法】Vol.2:加算マージ後に背景を正しく差し替える(アルファ消失の解決)
ノードベースの加算マージを進める上で、ほぼ確実にぶつかるのが「マージを重ねるうちに背景との境界のアルファ(不透明度)が抜けてしまう問題」です。
このアルファ消失の仕組みを紐解き、Fusionの「Effect Mask」という便利な機能を賢く使って、キャラクターのエッジや透明感を崩すことなく背景プレーンと綺麗に合成する実践テクニックを解説しています。
関連記事【Resolve Fusion Vol.2】AOV加算マージ後に背景を差し替える──アルファ消失をEffect Maskで解決する方法Vol.3:レンダーレイヤーで分けて出力した素材のOver合成
「キャラクター」と「背景」など、Mayaの renderSetup(レンダーセットアップ)を使って別々のEXRファイルとして書き出した素材同士を、重ね合わせてコンポジット(Over合成)する方法です。 こちらは最初からアルファチャンネル付きのRGBA画像としてMergeノードで重ねるため、Vol.2のような複雑なアルファの再構築は必要なく、マルチレイヤー合成の最も基本となる手順です。
関連記事【Resolve Fusion Vol.3】Over合成入門|renderSetupで分けた別EXRをMergeノードで重ねる基本Vol.4:aiShadowMatteを活かした影のコンポジット
キャラクターが地面や壁に落とす「影(シャドウ)」だけを別パスとして抽出し、背景に綺麗に馴染ませるための合成テクニックです。 aiShadowMatte でレンダリングした影の情報をFusionに読み込み、コンポ側で影の濃さや色を調整したり、ブラーでぼかしたりといった、2Dならではの柔軟なアプローチを解説しています。
関連記事【Resolve Fusion Vol.4】aiShadowMatteの影をぼかして色を変える|背景差し替えコンポジットこの影コンポの題材となっている、名画を模した「境界なき空間」をMaya Arnoldでレンダリングする手法(仕込み側)はこちらで詳しく書いています。
関連記事MayaのArnoldでマネの『笛を吹く少年』風「境界なき空間」をレンダリングする(aiShadowMatteの使い方)【第2部:演出・色調補正編】発光エフェクトとマスク抽出・ブラー
Vol.5:emissionパスから映画のようなGlow(発光)を作る
Vol.1〜4で組み上げたシーンの最後のピースとして、ライトセーバーやネオン管、コイルなどを映画のように美しく輝かせる「Glow(発光)」表現を仕上げます。 3Dレンダリングから出力される emission(自己発光)パスは、そのままでは「ただ明るい単色のオブジェクト」に過ぎません。Vol.1のEXR素材をそのまま使い、再レンダリングなしでシネマチックな光の滲み(ハロー)を作る2段階のアプローチを解説しています。
- 基本アプローチ:
emissionパスに ColorCorrector と Blur を挟んで加算マージする基本手順 - 応用アプローチ(多層Glow): 「白くシャープな芯」と「広く滲むハロー」を2層に分離して合成し、ACEScg環境で色飛びさせずにクオリティを一段引き上げるプロのテクニック
関連記事【DaVinci Resolve Fusion】emissionパスからGlowを作る方法|ライトセーバーが映画のように光るVol.6:Cryptomatteによるマスク抽出と部分色変更
Vol.5が「光の演出」だったのに対し、Vol.6は「どのパーツに手を入れるか」を自在に操るマスク抽出テクニックです。 Cryptomatte を使うと、スピルバーグ監督の名作『シンドラーのリスト』の有名なシーン(「赤いコートの少女」)のように、モノクロの世界の中でキャラクターのシャツだけを赤く残すような表現や、特定パーツだけの色調補正がスポイト1つで驚くほど簡単に実現できます。
関連記事【Resolve Fusion Vol.6】Cryptomatte入門|スポイトでマスク抽出し、ColorCorrectorで部分色変更そして、Cryptomatte(Object / Material / Assetの3種AOV)をMayaのArnoldからマルチパートEXRへ正しく出力する仕込み手順は以下の記事で解説しています。
関連記事【Maya×Arnold】Cryptomatte出力設定ガイド|Object/Material/Assetの3種AOVとSidecar Manifests確認Vol.7:Motion Vectorによる後付けモーションブラー適用
3D空間でのレンダリング時間を劇的に節約するため、Arnold側の重い3Dモーションブラー計算をパスし、コンポ側で一瞬にして滑らかな動きのブレを表現するテクニックです。 手付けアニメーションの躍動感を高める上でも非常に実用的で、Mayaで出力した motionvector を使い、Fusionの「VectorMotionBlur」ノードで高速かつスムーズにブラーを後乗せする手順を解説しています。
関連記事DaVinci Resolve Fusionでコンポジット(Motion Vector編)モーションベクトルを破綻なく美しく書き出すための、Maya Arnold側の正しい設定ルール(Deformationやclosestフィルターなど)はこちらで解説しています。
関連記事MayaのArnoldでMotion VectorとZ-depthの出力【第3部:空間・照明コントロール編】ライト調整と空気感の構築
Vol.8:Light Selectによるライトごとの光量・色調整(ライトミキサー)
レンダリングが終わった後、わざわざ重いMayaに戻って再レンダリングすることなく、コンポ側だけで「キーライトをもう少し落としたい」「リムライトの色を変えたい」「朝日から夕景に変えたい」といった柔軟な照明調整を可能にする手法です。
Mayaで仕込んだライトグループごとのパスをFusionに読み込み、まるで現場で照明のツマミを回すかのように、リアルタイムでライトの強さと色をカスタムする手順を紹介しています。
関連記事MayaのArnoldでライトごとのAOV出力Arnoldの「Light Group」機能を利用して、Key/Fill/Rimなどの個別ライト光を独立したパスとしてEXRに埋め込むMaya側の設定手順はこちらです。
関連記事DaVinci Resolve Fusionでコンポジット(ライトAOV編)Vol.9:Z-depthによる被写界深度(ボケ)と距離フォグの合成
絵作りの完成度をグッと引き上げるのが、画面に圧倒的な「奥行き」と「空気感」を与える空間演出です。 距離情報を持った白黒の Z(Z-depth)パスを活用し、Fusionの「DepthBlur」ノードでピント位置を自在に操る後付けの被写界深度(DOF)と、遠景に向かって霞んでいく「距離フォグ(霧・大気感)」を合成する手順を解説しています。
関連記事【Maya×Arnold】被写界深度(DOF)とZ-depth AOV出力ガイド|Enable DOFとaiFog3D側で直接ボケをレンダリングする場合(Enable DOF)や aiFog の使い方、そしてコンポ用のZ-depth AOVをアンチエイリアス設定込みで正しく出力するMaya Arnold側のガイドはこちらです。
関連記事DaVinci Resolve Fusion でコンポジット(Z-depth編)さらに深くDaVinci ResolveとFusionを学ぶためのリファレンス
Fusionでの3D空間の扱い方、カラーグレーディング、EditページやColorページとの連携など、一歩進んだ表現やスムーズな動画編集フローを身につける上で非常に役立つおすすめの書籍を紹介します。
映像編集の基本からFusionを使った基本的な合成、さらにカラーグレーディングまでを実際に手を動かしながら総合的に学べる良書を、読者の視点からレビューしています。
関連記事『手を動かして学ぶ DaVinci Resolve 映像編集パーフェクト教本』 ブックレビュー
手を動かして学ぶ DaVinci Resolve 映像編集パーフェクト教本
口コミを見るDaVinci Resolve Fusionでのコンポジットを学ぶならば、『Hello VFX』もおすすめです。こちらは、BlenderとFusion(無料版)を使ってのVFXの本です。

Hello VFX -BlenderとDaVinci Resolveではじめる実写合成-
無料だとBlenderで行わないといけない所もあるので、素直に有料版を購入することをおすすめします。

Blackmagic Design Blackmagic Davinci Resolve18 Studio (DV/resstud)ライセンスキーアイテム
口コミを見るまた、レンダリングやコンポジットをより深く学ぶなら、ACESのワークフローやカラーマネジメントの基礎知識を本で体系的に学ぶのが一番の近道です。
そのための最もおすすめのバイブル本がこちらです。

ACESのワークフローが理解できるカラーマネジメントガイド
口コミを見るまとめ
「まずはこのVol.1〜Vol.9までの基本&応用ワークフローを押さえれば、個人制作から実戦レベルの絵作りまで自在にコントロールできるようになります。今後も新たなコンポジット手法や検証結果がまとまり次第、このロードマップに随時追加していきますので、ぜひブックマークして制作のお供にご活用ください!」
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