【Maya×Arnold】被写界深度(DOF)とZ-depth AOV出力ガイド|Enable DOFとaiFog

当ページのリンクには広告が含まれています。
Arnold-Z-depthアイキャッチ
  • URLをコピーしました!

映画やドラマでよく見る 肩越し(Over The Shoulder/OTS)の会話 では、どちらの人物にピントを置くかで視線の行き先が変わります。話している側だけでなく、聞いている側のリアクション に注目させたいときにも使います。Maya×Arnoldなら、カメラの Focus Distance を合わせて 3Dの被写界深度(Depth of Field/DOF) をBeautyに焼き込めます。

本記事は Fusion 連載 【Resolve Fusion Vol.9】3D側・前提編 です。Vol.9は 2段構成 です。

  1. 本記事(いまここ) … 肩越しシーンで狙ってDOFレンダー。あわせて Z-depth を出す
  2. Fusion Vol.9(続編) … 同じZで2Dボケ/フォグ。Arnoldで焼いたDOFと比較する

前回(Vol.8) はライトの色と強さでした。Vol.9は 深度——ピントと空気感です。コンポ編の区切り回でもあるので、デモシーンは新規に作成しました。

検証の前提は Maya 2027 +付属 Arnold、出力は Vol.1どおり ACEScg・マルチパート OpenEXR を想定します。

Vol.9を読む順番

【Maya×Arnold】肩越し会話でフォーカスを合わせてDOFレンダー|Z-depth出力つきいま読んでいる記事(3D側)

【Resolve Fusion Vol.9】Z-depth入門|2Dボケとフォグ、Arnold DOFとの比較続編(Fusion側)

連載の前後・前提

INDEX

今回のシーン——肩越し会話(Over The Shoulder/OTS)

構図は次のとおりです。

位置内容
左手前肩越しのキャラクター(後頭部〜肩が画面を占める)。カメラに背を向け気味
右奥こちら(カメラ)を向いている顔が見えるキャラクター

作例は、手前と奥でシャツの色を分けたキャラ(緑/赤)と、部屋のコーナー(色の違うチェッカー壁)です。見た目が違うと、スクショでも「今どちらにピントか」が分かりやすいです。切り返しカメラも同じ手順です。本編は肩越し1本で足ります。

ポイントは次です。

  • 二人の 距離差 をはっきり取る(近すぎるとDOFの差が弱い)
  • 奥の顔がきちんと見える画角にする(肩が画面の大半を占めすぎない)
  • 髪や細い透けは控えめに(あとの2Dボケ比較でも汚れにくい)

フォグ用の森カットは本記事では扱いません(Fusion編の応用)。ここでは ピントの切り替え に集中します。

3Dの被写界深度(DOF)でやること/Zでやること

目的本記事で出すもの
絵としてピントを決めて焼くBeauty(Enable DOF オン)。奥フォーカス版/手前フォーカス版
Fusionで後からピントやフォグを触る材料同じカメラで DOFオフのBeauty+Z(32-bit float)

Arnoldの3D DOFは、レンズのボケに近く、反射や半透明にもボケが乗ります。そのぶん ピントを変えるたびに再レンダー です。

Zを出しておけば、Fusion側でピント位置を試せます(完全な3D DOFの代替ではなく、使い分けです)。詳しい比較は続編へ回します。

ステップ1:ショットカメラを用意する(レンズとFilm Back)

  1. 肩越し構図が見える カメラ を作り、Renderable Camera に指定する
  2. 画角・高さは、左手前の肩と右奥の顔が両方読める位置に
  3. カメラシェイプを選び、Attribute Editor で次を揃える(作例の基準)
  4. 以後の Focus Distance は このカメラから被写体までの距離 です

作例で使うレンズ設定

会話の肩越しでは、広角より 標準〜やや中望遠 の方がボケの差が出やすく、歪みも抑えられます。本記事の作例は次で進めます。

項目作例の値意味
Focal Length50レンズの焦点距離(mm)。いわゆる「50mm」
Camera Aperture(mm)36 × 24フィルム/センサー相当の大きさ(フルフレーム)
Film GateUser のまま下の Camera Aperture を手で使う(プリセット一覧の名前)
Fit Resolution GateFill(初期のままで可)レンダー解像度の枠に、Film Back をどう合わせるか

Film Gate とは何か

Film Gate は、カメラの「フィルム窓/センサーの大きさ」の プリセット名 です。選ぶと、その規格のサイズが Camera Aperture に自動で入ります。プリセットは実写カメラの規格名のショートカットであり、レンズ銘板そのものではありません。

Mayaのカメラは、最初から Camera Aperture(mm)が 36×24 になっていることがよくあります。これは写真のフルフレーム相当で、本記事の「50mm」の話とも揃いやすいです。

フルCG(実写カメラと厳密に合わせない場合)は、Film Gate=User・Camera Aperture=36×24のままで問題ありません。 本記事の作例もこれです。最終の画面比(16:9や1.85:1など)は、主に レンダー解像度(やResolution Gateの枠)側で決まります。Film Gateを1.85用に変えなくても、横長でレンダーすれば1.85の画になります。

一覧に出るものの、ざっくりした意味は次のとおりです。

Film Gate簡易説明
User自分で入れた Aperture を使う。フルCGの基本。36×24ならこれ
16mm Theatrical16mm映画の劇場用枠。小さなセンサー相当
Super 16mm16mmを横に広げた規格。インディ/ドキュメンタリーっぽい画角の話で出ることがある
35mm Academyトーキー以降の古典ハリウッド標準枠(アカデミー比・約1.37:1)。36×24より小さい。常用しない
35mm TV Projection古いTV向け映写を想定した35mm枠。今のWeb用フルCGではほぼ不要
35mm Full Apertureサウンドトラック分を見込まない、広めの35mm開口(サイレント期寄り)
35mm 1.85 Projection劇場の「普通のワイド」(約1.85:1)用のフィルム窓プリセット。画角計算用のApertureが変わる。 最終画を1.85にするだけなら、通常はレンダー解像度/枠で足りる
35mm Anamorphicアナモフィック(強いワイド)前提の枠。歪み・フレアまでやる案件向け
70mm Projection70mm映写系の大判枠
VistaVision35mmを横走りにした大判系フォーマット
ImaxIMAX系の大判枠

Academy などをなんとなく選ぶと Aperture が変わり、同じ 50mm でも画角が変わります。 デフォルトが 36×24 なら Focal Length とカメラ位置だけで足ります。Film Gate のプリセットは、実写合わせやゲート指定があるとき以外は触らなくてよいです。

Attribute Editor で知っておく項目

カメラシェイプのアトリビュートは多いので、本記事で触る/触らないを分けます。

項目触るか説明
Focal Length触る画角の主役。作例は 50。小さくすると広角・大きくすると望遠
Angle of View見るだけFocal Length と Film Back から自動計算される画角。直接いじらなくてよい
Camera Scale(Camera Attributes)触らない光学側の倍率。通常は 1.0 のまま。ビューポートの見た目用ではない
Object Display → Locator Scale必要ならビューポート上のカメラアイコンの表示サイズだけ変える。画角やDOFには影響しない
トランスフォームの Scale X/Y/Z触らないカメラ本体を拡大縮小してしまう。表示を大きくしたいときは使わない(Locator Scale を使う)
Film Gate / Camera Aperture最初に確認(基本は触らない)センサー相当の大きさ。フルCGは 36×24 を一度確認したら、レンズを変えてもそのままでよい。12mmでも120mmでも変えなくてよい
Fit Resolution Gate基本 FillFilm Back とレンダー解像度のアスペクトが違うときの合わせ方
OverscanDisplay 見出し内)プレイブラスト前は 1.0Gate 表示で勝手に大きくなりがち。枠を消しても戻らない。Film Back の Fit とは別
Near / Far Clip Plane必要なら近すぎる/遠すぎるものを描画から切る。Zの値にも関係しうる。極端に狭めない。作例は Near 0.1 / Far 10000 程度で十分なことが多い
Depth of Field(Maya標準の見出し)Arnoldでは使わないMaya純正のDOF欄。Arnoldで焼くときはここではなく、下の Arnold 見出しの Enable DOF を使う
Arnold → Enable DOF / Focus Distance / Aperture Sizeステップ3で触る実際にBeautyへ3Dボケを焼く設定
Locator Scaleの位置

カメラのアイコンが小さすぎるときは、cameraShape の Attribute Editor で Object Display を開き、Locator Scale を上げます(Visibility などのチェックのすぐ下)。Camera Scale や、チャンネルボックスの Scale X/Y/Z は触らないでください

Camera Aperture(36×24)は「カメラボディ側」です。広角・望遠は Focal Length だけ変え、Apertureは変えません。アクションカムやスマホのように 小さなセンサー相当 にしたい、大判にしたい、実写カメラに合わせたい、といったときだけ Aperture/Film Gate を変えます。

構図は Focal Length=50 と Film Back=36×24 を固定したまま、カメラを前後・上下に動かして決めます。画角を変えたいときは安易に Focal Length をいじらず、まず位置で合わせると「50mmの画」として一貫します。

ビューポートの Gate 表示(Film Gate / Resolution Gate)

構図確認のために、カメラ越しビューで枠を出せます。

表示何の枠か
Film GateCamera Aperture(センサー/フィルム窓)の枠
Resolution GateRender Settings の解像度で実際に焼ける範囲の枠

出し方の例:カメラを Look Through したパネルで View → Camera Settings → Resolution Gate(または Film Gate)。Attribute Editor の Display でもオン/オフできます。

大事なこと:Gate の「表示オフ」だけでは、画角が元に戻らないことがあります。

Maya の公式ヘルプでも、Resolution Gate をオンにするとカメラの Overscan が大きな値に変わり、枠の外側まで見えるようになります(実環境では 1.3 になることが多い。ヘルプ記載の例では 2.0 の場合もある)。Film Gate 表示でも Overscan が変わることがあります。あとから Gate の線だけ消しても、Overscan が 1.0 より大きいと、ビュー(とプレイブラスト)は広いままです。だから「枠を消したのに画角が違う」が起きます(私は何度もやらかしたことがあります。要注意!)。

やらかしやすい流れと直し方

  1. Resolution Gate を付けて構図を見る(このとき Overscan が自動で上がることがある)
  2. そのまま Playblast → 枠外まで写ったプレビューになる
  3. Gate 表示だけオフにして再度 Playblast → まだ画角が広い/レンダーと違う

対処:

  1. カメラシェイプ(cameraShape)の Attribute Editor を開く
  2. Film Back の下の方ではなく、Display(Display Options)見出しへスクロール
  3. そこに Overscan があるので 1.0 に戻す(これで画角が戻る)

※ 次と取り違えないでください。

似た名前別物
Display → Overscanビューの見え方だけ広げる。プレイブラストに効く。通常は 1.0
Fit Resolution Gate の OverscanFilm Back 側の「合わせ方」の選択肢の一つ。数値の Overscan ではない
Shake Overscanカメラシェイク用。普段は触らない

そのほかのプレイブラスト前チェック:

  • Fit Resolution Gate は作例どおり Fill のままを基本にする
  • Display Size を From Render Settings にする、など解像度を揃える
  • 最終確認用なら Gate 線はオフでもよいが、Overscan を戻すのを忘れない
  • 「レンダーと完全に同じ1枚」が必要なら、Playblast より Render Sequence / 本番レンダー の方が確実です

作業中だけ枠外を見たいときは Overscan を上げても構いません。その場合は プレビューを出す直前に必ず 1.0 へ戻す、と決めておくと安全です。

ステップ2:ピント距離を測る

Arnoldの Focus Distance には、カメラから「ピンと合わせたい点」までの距離を入れます。

測り方の例:

  1. 奥キャラの顔(または手前キャラの肩)付近に ロケータ を置く
  2. カメラとロケータの距離を測る(Distance Tool、または選択して Heads Up Display の Object Details など)
  3. その数値を控える
狙いFocus Distance の目安
奥の顔にピントカメラ → 右奥キャラの顔
手前の肩にピントカメラ → 左手前キャラの肩/後頭部

単位はシーンの単位系に合わせます(cmシーンならcmのまま)。

Distance Toolを使って測りました
Distanceの値を使う

ステップ3:カメラで Enable DOF を入れる

※ DOF は Attribute Editor の Depth of Field(Maya標準) ではなく、Arnold 見出し側です。

  1. ショットカメラのシェイプを選択し、Attribute Editor を開く
  2. Arnold 見出しへスクロール
  3. Enable DOF をオン
  4. Focus Distance に、ステップ2で測った値を入れる
  5. Aperture Size でボケの強さを調整する

補足:

  • Aperture Size は写真の F 値そのものではなく、ワールド単位の絞り半径 です。大きくするとボケが強くなる
  • 出発値 は「最初に入れる仮の数」です。シーンの単位や被写体距離で効き方が変わるので、万能の正解値はありません。まずは小さめから IPR で見て、足りなければ上げます
  • 本記事の作例は Aperture Size 1.0(50mm・フルフレーム相当)。手前の肩はしっかりボケ、奥の顔はシャープ、という差が出る値です。強すぎて肩が誰だか分からなければ 0.40.7 へ下げてください
  • 50mmだと、顔のすぐ後ろの壁はあまりボケないことが多いです。 手前(カメラに近い肩)と、ピント面のすぐ奥(壁)では距離の効き方が違います。壁まで強く溶かすならレンズを伸ばす(70〜85mm)か、壁をさらに遠ざけるか、Aperture をさらに上げます。会話の肩越しでは、壁がややシャープなままの方が自然です
  • Aperture Blades などを触るとボケ味(玉ボケの形)が変わりますが、本記事では必須ではありません
  • Focus Distance と Aperture Size 以外のレンズ関連は、ステップ1の 50mm + 36×24 のままで進めます

Arnold RenderView(または IPR)で確認します。ノイズが出やすいので、見た目が決まったら本番用にサンプルを上げます。

ステップ4:2パターン焼く(奥ピント/手前ピント)

同じカメラ・同じApertureで、Focus Distance だけ変えて2本出します。

ファイルの例Focus Distance結果のイメージ
ots_focus_far.####.exr奥の顔顔がシャープ、手前の肩がボケる
ots_focus_near.####.exr手前の肩肩がシャープ、奥の顔がボケる

どちらも Enable DOF オン の Beauty です。アイキャッチや「3Dで焼いた正解例」として使います。

ステップ5:比較・コンポ用に DOFオフ+Z を出す

Fusion編で「後からピントを変える」「Arnold焼きと比べる」ために、同じカメラ・同じフレームで次も出します。

arnoldのZデプス(AOV)を出力する
AOVの「Z」を出力する
  1. カメラの Enable DOF をオフ
  2. Render Settings の AOVs タブで、Available から Z を Active に追加する
  3. Active 側の Z を確認する
    • data: float
    • filter: closest(ガウシアン等でなめらかにしない。深度がにじむ)
    • driver: <exr>(Vol.1どおりマルチパート OpenEXR)
  4. 出力は 32-bit float のマルチパート OpenEXR(Vol.1のACEScg・AOV基本 を踏襲)
  5. Beauty(RGBA)と Z が同じEXRに入るようにする(Common の File Output で Multipart 等、Vol.1の設定)

Common の「Depth channel (Z depth)」は使わない

Render Settings → Common タブ → Renderable Camera の、Alpha channel の下にある Depth channel (Z depth) チェックは オフのまま にしてください。

本連載(および Fusion での2Dボケ/フォグ)で使うのは、AOVs タブの Z です。Vol.1で AOV をマルチパートEXRに載せる流れと同じです。Common 側の Depth channel は古い/別系統の出し方になりやすく、フィルタや精度の扱いも Autodesk/Arnold の AOV 運用と揃いにくいので、ここでは使いません。

チェックを入れない!
Part用途
RGBA(DOFオフ)Fusionで2Dボケをかける土台。Arnold DOF版との比較用
Z(AOVs)距離情報。ピント位置やフォグのマスクに使う

ビューアで Z が真っ白/真っ黒に見えても、値がカメラ距離の float であることが多く、見た目のグレーランプが綺麗でなくても正常なことがあります。Fusion側で扱いを確認します。

会話シーンとして成り立たせるために2つのショットをレンダリングしました。

補足:3Dでフォグを足す(Fog)

肩越し本編とは 別カット(森+キャラ1人)です。Maya標準の Environment Fog は使いません。Arnold の Atmosphere に Fog(ノード名 aiFog)を載せます。

aiFog には軸が2本あります。Fusion Vol.9 のZでやるのは、このうち 距離 の方です。

パラメータ何をしているかZ(2Dフォグ)との関係
Distanceカメラから遠いほど霞む(距離フォグ)これがZの対応
HeightGround Normal「上」方向に減衰する(高さフォグ)Zには無い。2DのZだけでは足元の帯は出ない

光の筋やボリュームシャドウが欲しいときの Atmosphere VolumeaiAtmosphereVolume)は別物です。本記事では扱いません。Fog と Atmosphere Volume は Atmosphere スロットに 同時には載せられません。

森カットは Enable DOF オフ のままです。Zの出し方(AOVs・float・closest。Common の Depth channel は使わない)は肩越しと同じです。

手順

  1. Render Settings → Arnold Renderer → Environment → Atmosphere
  2. マップボタンから Fog を作成する(aiFog
  3. 先に Ground Normal を 0, 1, 0 にする(Z は 0
  4. IPR を出しながら、Distance → Height の順で合わせる(順番を逆にすると白い帯や白い壁になりやすい)
aiFogのデフォルト設定

パラメータ

Arnold 自体の世界の「上」は Maya と同じ Y-up です。Z なのは Fog ノードの Ground Normal の初期値0, 0, 1)だけです。初期のままだと Height が奥行き方向に乗るので、地面から立ち上る霧にも、距離フォグにもなりにくいです。

デフォルト状態だとこんな感じ
項目意味作例
Ground NormalHeight の「上」。Mayaでは Y=10, 1, 0(初期の Z=1 から必ず変える)
Ground Pointフォグが始まる位置地面が原点付近なら 0, 0, 0 のままで可
Colorフォグの色。不飽和が扱いやすい。空に寄せると奥が溶けて見えやすい作例は HSV H 180 / S 0.25 / V 1.0(薄いシアン)
Distance距離に対する濃さ。公式どおり、小さいほど薄く、大きいほど濃い作例 0.002。初期の 0.020 だと不透明になりやすい
Height高さ方向の減衰。低いと足元だけの帯、大きいと画面全体に近い作例 300。数字の正解はシーンのスケール次第

Distance と Height は別物です。Height を下げても濃さは落ちません(帯が細くなるだけ)。濃さを変えるのは Distance です。

合わせ方(この順)

濃いまま Height を上げると、白い壁が上に伸びるだけです。薄い状態で Height を上げます。

  1. Ground Normal を 0, 1, 0
  2. Height は仮で 50 前後のままでよい
  3. Distance を下げる0.0200.0050.002 など)。白い塊が半透明になり、地面と手前の幹の色が見えるまで
  4. 奥の木が手前より霞んでいるかを見る。それが距離フォグ
  5. まだ腰の位置で水平に切れるなら、薄い状態のまま Height を上げる(作例は 150300

判断の目安:手前の岩・花・幹の根元が同じ白さで消えるなら、まだ高さ。奥の木だけが空の色に寄り、手前の幹の上部が残るなら、距離です。キャラも距離に応じて少し霞むのが正しい結果です。

見た目が決まったら Beauty を焼きます。濃さや色を変えるたびに再レンダーです(3D DOFと同じ)。

Fusion用に出すとき

2Dフォグの入力は、Fog を外した(または無効にした)Beauty + AOVs の Z です。Fog 済みの絵に Fusion でもう一度距離フォグを重ねると二重になります。3Dと比較するなら、同じカメラ・同じフレームで FogオンFogオフ+Z を出し分けます(DOFオン/オフと同じ)。Fogオフ側のEXRを上書きしないよう、出力パスを分けます。

使い分けの表は Fusion Vol.9 の応用にあります。

手順(軽く)

  1. Render Settings → Arnold Renderer → Environment → Atmosphere
  2. マップボタンから Fog を作成する(aiFog
  3. IPR を出しながら、次を触る
項目意味
Colorフォグの色。朝靄ならやや暖色、遠い山なら寒色寄り、など
Distance距離に対する濃さ。奥の木がどのくらい残るかを見ながら合わせる。最初は小さめから
Height地面からの高さ。低いと足元だけ、大きくすると画面全体に近い
Ground Normal高さフォグの「上」方向。初期が Z 向きだと縦に乗るので、地面から上げるなら Y=10, 1, 0

(※ここに Render Settings の Atmosphere と Fog の Attribute スクショを挿入予定。森カットができてからでよい)

見た目が決まったら、その設定で Beauty を焼きます。濃さや色を変えるたびに再レンダーです(3D DOFと同じ)。

Fusion用に出すとき

2Dフォグの入力は、Fog を外した(または無効にした)Beauty + AOVs の Z です。Fog 済みの絵に、Fusionでもう一度距離フォグを重ねると二重になります。3Dと比較するなら、同じカメラ・同じフレームで FogオンFogオフ+Z を出し分けます(DOFオン/オフと同じ)。

森カットは 3D DOF は不要です。出し方の Z(float・closest)は肩越しと同じです。

使い分けの表は Fusion Vol.9 の応用にあります。

よくあるつまずき

どこにもピントが来ない/全体がボケる

原因: Focus Distance がシーンの距離と合っていない。または Aperture Size が大きすぎる。

対処: ロケータで測り直す。Aperture を一度小さくしてから上げる。

奥と手前で差が弱い

原因: 二人の距離が近い。レンズが広角すぎる。

対処: 奥キャラを遠ざける、またはカメラを寄せて遠近を強調する。

Zをコンポに持っていくと使えない

原因: 8-bit/PNGに焼いている。フィルタが closest でない。DOFオンのBeautyだけ出している。Common の Depth channel (Z depth) だけで出している(AOVs の Z ではない)。

対処: AOVs タブの Z(float・closest)をマルチパートEXRへ。比較用BeautyはDOFオフ。Vol.1 のAOV出力を再確認。

Fogを足しても縦にしか乗らない/奥に帯のように溜まる

原因: Ground Normal が初期の Z=1 のまま。Height が奥行き方向に乗っている。Arnold が Z-up なのではなく、Fog ノードの初期値だけが Z 向き。

対処: Ground Normal を 0, 1, 0 にする。

足元だけ白い帯/キャラの足だけ消える(奥の木の先端はクリア)

原因: Height が低い。高さフォグになっており、距離フォグではない。

対処: 先に Distance を下げて透かす。そのあと Height を上げる(作例は 150300)。Height を 0.005 のように下げても濃さは変わらない。

Fogが濃すぎて手前まで真っ白/Heightを上げたら白い壁が上に伸びる

原因: Distance がシーンのスケールに対して大きい。濃いまま Height を上げている。

対処: Height は一旦そのままで、Distance を下げる。半透明になってから Height を上げる。単位系(cmシーンなど)で効き方が変わるので、数字の「正解」はシーンごとに探す。作例の Distance は 0.002

DOFでノイズが多い

原因: 被写界深度はサンプルを食いやすい。

対処: Camera (AA) 等を上げる。見た目確認はIPR、本番はバッチ。

Gateを消したのにプレイブラストの画角がレンダーと違う

原因: Resolution Gate 等を出したときに Overscan が大きくなり、表示をオフにしても Overscan が残っている。

対処: カメラの Overscan を 1.0 に戻してから Playblast。詳しくはステップ1の Gate 表示の項。

まとめ(Fusionに渡すもの)

DOFオンのBeauty(奥ピント/手前ピント)と、Z用のプレート(DOFオフのBeauty+AOVsのZ)は別レンダーです。 同じカメラ・同じフレームでも、設定を切り替えて出し分けます。

出力内容
Beauty ×2奥フォーカス/手前フォーカス(3D DOFオン
Beauty ×1DOFオフ(同じカメラ)
ZAOVs の Z(float・closest)。Common の Depth channel は使わない。同じEXR推奨

これで「フォーカスを合わせて焼いたBeauty」と「ZからFusionで作るボケ」を、同じ構図で並べられます。森カットで3Dフォグも試すなら、上の補足どおり Fogオン/オフを出し分けます。続きは Fusion Vol.9 へ。

次回予告:Fusion Vol.9

【Resolve Fusion Vol.9】Z-depth入門|2DボケとArnold DOFとの比較 では、Zを使ったピントの後付けと、本記事の3D DOFとの見比べを扱います。応用で、同じZを使った距離フォグと、本記事の Fog との使い分けも扱います。

Arnold-Z-depthアイキャッチ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

フリーの3DCGアニメーター。
メインツールはMaya(使用歴20年以上)です。お仕事ではSoftimage(XSI)やMotionBuilderの使用経験もあり。思いに手付け(キーフレームアニメーション)が多いですが、キャプチャーもいけます。サブスキルとしてはリグ(Maya限定ですが)も少々いけます。

ゲームが昔から大好きなので「ゲーマー」としての側面からもいろいろ発信出来ればと考えています。
CG歴よりもゲーマー歴のほうがずっと長いもので(笑)。

twitterアカウント
@inopoa1

よろしくお願いします。

コメント

コメントする

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

INDEX