DaVinci Resolve FusionでMayaのArnoldでレンダリングしたopenEXR連番ファイルにVectorMotionBlurをかけてモーションブラーを適用します。
今までの素材AOVとライトごとのAOVで使用していたMayaシーンでは分かりづらいので新たに簡単なシーンを用意しました。
ゴールドのボールが左から右へ画面を横切るシーンです。
コンポジットの手順
まずbeauty_AOVとmotion_vector_AOVを読み込みます。
beauty_AOVの方はデフォルト状態のままR、G、B、の各チャンネルにRGBをそのまま読み込みます。
motion_vector_AOVの方はRGB各チャンネルに「motionvector.R」「motionvector.G」「motionvector.B」を読み込みます。これらはMayaのArnoldでプリセットの「motionvector」で出力したものです。

DaVinci Resolve Fusion でコンポジットする際は「motionvector」で出力したもの使うほうが都合がよい(そのまま使える)のでaiMotionVectorで出力したものはここでは使いません。

「VectorMotionBlur」を配置してまずbeauty_AOVをつなぎます。そして先程設定したmotion_vector_AOVをつなぎ、X Channelを「Red」、Y Channelを「Green」に設定すると上画面右側のようにモーションブラーがかかります。Scaleのスライダーを動かすとブラーの強さを変更できます。
モーションブラー「あり」「なし」比較
モーションブラー「なし(上)」と「あり(下)」です。
2Dモーションブラーの制限事項
Motion Vectorのコンポジットで注意しておきたい点があります。
2Dモーションブラーについては3Dモーションブラーとは違い制限事項があるのでその点を考慮して使用する必要があります。記事をここまで書いてきて最後にこんなことを言うのもあれですが、何も考えずに素直に3Dモーションブラーでレンダリングしたほうが良いこともあるということを頭の片隅に記憶しておいたほうが良いです。
具体的な制限についてはAronold公式より以下に引用しました。
制限事項
Arnold のネイティブ 3D モーション ブラーのレンダリングと比較すると、2D モーション ベクトルのレンダリングにはいくつかの制限事項があります。 その制限事項には、反射面のモーション ブラー、デフォメーション ブラー、実際にはない 3D モーション ブラー エフェクト(カメラに向いていないホイールの回転など)、モーション ブラーが適用されている光源を使用したタイム ラプス エフェクトなどがあります。
Arnold公式より
このように2Dモーションベクトルのブラーには制限事項があるので注意が必要です。


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