Mayaでリボンリグ(Ribbon Rig)

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リボンリグ(Ribbon Rig)について解説します。

Ribbon Rigについては日本語での解説がほとんど見当たらないので、備忘録として書き残しておきます。実はわざわざ自分で作らなくてもスクリプト(最後に紹介します)を探せば見つかるのでそういうものを使えば良いのですが、スクリプトだと融通が効かない場合があるので作り方も知っておくべきでしょう。

今までのRigの記事ではIKやFKといった繋がっているjointについて書いてきました。しかし、このRibbon Rigは敢えて繋がらないように分離させたjointを使用します。

Maya nHairの毛根にjointを入れる

では実際にRibbon Rigを作ります。

このような設定(Width:10、U patches:10)でNURBS Planeを作ります。

そのNURBS Planeを選択して、FXメニューに切り替えてnHair > Create Hair □ のオプションを開きます。

U count: 11、Staticにチェックを入れます。

このように毛が生えます。

Follicleの位置をU patch上に配置するために位置を調整します。

一番左側のFollicleのParameter Uの値を「0.0」にします。

その次のFollicleは「0.1」にして0.1刻みで最後のFollicleを「1.0」にするとすべてのFollicleが丁度Patchの線上に配置されます(計算しやすいようにこの数にしました)。

しかし、毛はいらないので消してしまいます。

必要なのは「Follicle」だけなので、hairSystem、nucleus、hairSystemOutputCurves、そして、各Follicleの子のCurveを削除します。

このFollicleの子にjointを1つずつ配置します。

Follicleをひとつ選択して左下のMELと書かれたところに「joint」と入力してEnterキーを押します。

そうすると選択されたFollicleの子にjointが作成されます。

これ以降はjointを入れたいFollicleを選択して「g」キー(直前のコマンドを実行するショートカット)を押せばjointが作成されます。

この方法を使ってすべてのFollicleの子にjointを入れます。

このようになります。

このjointはNURBSの毛根に入れたものなので変形するNURBSに追従します。

NURBS Planeを動かすコントローラーを作成する

それではこのNURBS Planeを動かすためのコントローラーを作成します。

上の画像のようにコントローラーを作成し配置します。

まず、follicleに入っているjointの一番左と真ん中と一番右にスナップさせてLocatorを配置します。

次にそのLocatorの子にjointを1つずつ配置します。配置の仕方はfollicleへのjointの配置と同じようにやってください。

そしてコントローラーとなるjointのサイズを大きく(ここでは8)します。

これでコントローラー(大きなjoint)の配置ができました。

スナップ先のjointをそれぞれのコントローラーにparent Constrainしておきます(jointの向きが揃っていない場合があるのでoffsetつきで)。

今度はこの大きなjointをNURBS Planeにスキニングします。

Bind Skin Optionは特に注意はないですがこのような感じにします。

スキニング後にコントローラーを動かすとこのようにNURBS Planeをひねることもできます。

真ん中と左右のコントローラーの間にコントローラーを増やすことでもっとこまかくねじれるようにもなります。

スケールコンストレインを使用してコントローラーのスケールでfollicleのjointのスケールも制御できるようにしておきます。

スケールコンストレインをするときに左側のfollicleのjointは左側と中央のコントローラー2つにコンストレインをして、2つのコントローラーとの位置によってコンストレインの効き具合を合計で1になるように設定します。

たとえばひだりから3番目のFollicleのjointは左のコントローラーに0.7、中央のコントローラーに0.3といった具合に調整します。

真ん中のFollicleのjointは3つのコントローラーすべてとコンストレインしてほぼ真ん中にウェイトをおいて左右のコントローラーへのウェイトはほんの少しだけ気持ちだけ入れるみたいな感じにするのも良いでしょう。

NURBS PlaneのFollicleのjointをスキニングする

こうしてできたNURBS PlaneのFollocleのjointを変形させたいものへスキニングします。

シリンダーにバインドしてみました

これで完成です。

このコントローラーを移動、回転、拡大、縮小するとこの記事のアイキャッチ画像のように変形させることが可能です。

Ribbon Rigは工夫しだいでいろいろと使う方法があります。

今作ったものを上下にならべてフェイシャルの唇のように使うこともできるでしょう。

Ribbon Rigの可能性を探ってみてください。

ネットで見つけたスクリプト

わざわざ自分でつくらなくてもネットには便利なスクリプトがたくさん転がっています。

https://www.highend3d.com/maya/script/ribbonizer-create-ribbon-on-any-surface-for-maya

ほとんどの場合はこのスクリプトを使ったほうが便利です。

しかし、このスクリプトだとスケールが一方向にしか使えないので融通が利かない部分がありました。

そのようなときは自分でRibbon Rigを作ってみてください。

このスクリプトよりも素晴らしいものができたらぜひ私にも使わせてください。

今回の記事が気に入っていただけた場合、ぜひとも他の記事もチェックしてみてください。Mayaのリギングに関する記事をまとめたページです。

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