私はMayaを20年以上使用している3DCGアニメーターです。
これからMaya(3DCG)を学びはじめる人、Maya(3DCG)を学びはじめたばかりの人、そして、Maya(3DCG)を学びはじめたけれど、何をやるべきか分からなくて挫折してしまっている人。
そうした人々のために、Maya使用歴20年以上の私が「今からMaya(3DCG)を学びはじめるならば、どんな教材を使って、どういった手順で学習するのが効果的なのか?」を考えてみました。
Maya(3DCG)学習のロードマップとなっていますが、「最初期に使う教材(操作方法を学ぶもの)」以外はMaya以外の3DCGソフトウェアを使っている方にも当てはまる内容になっています。
Maya以外の3DCGソフトウェアを使用しているかたもぜひ参考にしてください(3DCGの上達方法は同じです)。
3DCGの上達方法として真っ先に思い浮かぶことが「個人の作品を作ること」です。
これこそが最大の学習だというのはまさにそのとおりです。
確かにMaya(3DCG)のチュートリアルだけをやっていても自分の作品を作ることはできません。
しかし、だからといってはじめからあまりにも難しいものを作ろうとすると、作り方すらわからずに挫折してしまいます(初心者にありがちで私にも思い当たる節があります)。
Maya(3DCG)を学び始めた頃にメラメラと燃えていた情熱の炎が、こんなことで消えてしまうのはあまりにももったいない。
そんな不幸なことが起きないように、この記事を書きました。
まずは教材で学ぶことがメインになりますが、教材で学んだことで自分の作品を作るなり、教材の内容をアレンジしてみるなりして必ずアウトプットしてください。インプットだけでは学習効果は半減してしまいます。
そして、教材で作り方を学んだら、自分の作品を作ることになります。
この自分の作品を作りアウトプットすることにより、もっとも上達する方法についても書きました。
まずは、基本操作と概要を学べ!
この記事は「Maya(3DCG)の学習方法について」です。
よって、すでにMaya(3DCG)が使えるPCが手元にあるという前提で話を進めます。
3DCGのはじめ方、3DCG用のPCの選び方、3DCGソフトウェアの選び方については以下の記事を御覧ください。





まず最初に学ぶことはMayaの操作方法です。
3DCGソフトウェアの使用経験がある人でも、一番最初に確認することは「3Dビューポートのカメラ操作の方法を学ぶこと」です。
なぜならば、3Dビューポートのカメラ操作の方法は、3DCGソフトウェアごとに違いがあるからです。
Mayaの場合はこの3Dのビューポートのカメラの操作方法に、クセがなく、扱いやすいです(個人の感想です)。
そのためか、ただ単にユーザー数が多いからなのかは知りませんが、他の3DCGソフトウェアにもオプションで「Mayaと同じ3Dビューポートのカメラ操作方法」が選べるものが多いです。
Mayaの3Dビューポートカメラの操作の方法が「標準の3Dビューポートのカメラ操作」とみなされることもあるので、Mayaを使わない人でも覚えておいたほうが良いでしょう。
Mayaのビューポートのカメラの操作方法 | |
---|---|
タンブル (回転) | 「Alt + マウス左ボタンドラッグ」 |
トラック (移動) | 「Alt + マウス中ボタンドラッグ」 |
ドリー (近づく、離れる) | 「Alt + マウス右ボタンドラッグ」 or 「マウスホイール」 |
ポリゴンのCubeを作って、3Dのビューポートのカメラを操作してグリグリ回して、いろいろな角度から眺めてみましょう。
このように基本操作を学んでいくわけです。
しかし、正直、この段階にあまり時間をかけたくありません。
できるだけサクッと終わらせるために、次に紹介するUdemyの講座でサクッと一通り学んでしまいましょう。
Udemyの動画で学んだ内容を補完するために、下で紹介する本を活用するのもおすすめです(Udemyだけで問題ない人は本を買わなくてもOKです)。
ちなみに、私が実際に学んで良かったUdemyの講座を紹介している記事があるのでよろしかったら読んでみてください。

動画で学ぶMayaの基礎コース
本も良いですが、今の時代は動画教材が充実しているので、まずは動画の教材から学ぶことをおすすめします。
特に学習の最初期には、画面のインターフェイスが全くよくわかりません。そんなときは実際に操作画面を動画で解説してくれている教材が学びやすいです。
Udemyの動画講座

そこでおすすめするのが、Maya 必須基礎習得コース Maya Essential Fundamentals Course 「伊藤脳塾WIZ」です。
2時間のオンデマンドビデオでサクッと学ぶことが出来ます。
この講座を受ければMayaの基本操作はバッチリです。
講師の伊藤克洋氏はMaya講師歴25年以上で教え方がとても上手いです。
最初期の段階で挫折を避けるために教え方が上手い人から教わることは重要です。
そうした意味からも最初にこの講座を受けることを強くおすすめします。
ちなみにUdemyは頻繁に(月に2,3回の割合で)セールを実施しています。
Udemy公式サイトを、こまめにチェックしてみましょう。
詳細は以下の記事を御覧ください。

実は使用しているMayaのバージョンは古い(Maya2016)ですが、ほぼ同じ内容の無料講座があります。
無料のこれからMayaを始める人のためのコース Introduction編「伊藤脳塾Basic」で学んでももちろんかまいませんが、Mayaのバージョンが古いこともありわかりづらい部分があります(Maya2016なのでまだArnoldが実装されていない等)。
このあたりはご自身の事情にあわせて選択してください。
時短でサクッとこの段階を通過したい人には有料のMaya 必須基礎習得コース Maya Essential Fundamentals Course 「伊藤脳塾WIZ」をおすすめしておきます。
その次はどうするかといえば、Maya 必須基礎習得コース Maya Essential Fundamentals Course 「伊藤脳塾WIZ」やこれからMayaを始める人のためのコース Introduction編「伊藤脳塾Basic」が気に入った人はそのまま伊藤克洋氏のUdemyの他コースで学習を進めましょう。
基本操作の次は、これらの講座でMayaの概要を学びましょう。
- Maya必須モデリング習得コース Maya Required Modeling Acquisition Course
- Maya必須カメラ&ライト習得コースMaya Required Camera & Light Acquisition
- Maya必須シェーディング&レンダリング習得コースMaya Required Shading & Rendering
- Maya必須アニメーション習得コース Maya Required Animation Learning Course
- Maya必須デフォーマー習得コース Maya Required Deformer Acquisition Course
- Maya必須スケルトンとスキニング習得コース Maya Required Skeleton and Skinning
- Maya必須キャラクターアニメーション習得コース Required Character Animation Acquis
上に挙げた講座を一通り受講すればMayaの概要がつかめるようになっているはずです(私が上で紹介したすべてのコースを受講したわけではないので断言はできません)。
「Maya必須モデリング習得コース Maya Required Modeling Acquisition Course」を受講しました。
詳細は以下の記事を御覧ください。モデリングを学ぶコースですが、3DCG初心者の場合はMaya 必須基礎習得コース Maya Essential Fundamentals Course 「伊藤脳塾WIZ」の次に受講する講座としてもおすすめです。

CGWORLDのオンラインチュートリアル
「CGWROLD」は、老舗のCG専門の雑誌です。
そこの「オンラインチュートリアル」でCGについて学ぶことが出来ます。
Udemyでは、アニメーションに関する講座が少ないので、「CGWORLD ONLINE TUTORIALS」のなかで、アニメーションの基礎について学べる講座を3つ紹介します。
特にアニメーション関係のチュートリアルが充実していて価格もリーズナブルなので、ぜひ受講してみてください。
しかも、講師の方々は海外で活躍されていて腕が確かなことで有名です。
アニメーションは、3DCGの一分野とはいえ、非常に専門的なスキルを要します。したがって、3DCG全般に詳しい人から教わるよりも、アニメーション専門の人から学ぶべきです。
アニメーションの基礎を学べるおすすめの講座
詳しくは、「アニメーション(Animation)」に決めた人のロードマップに書いたのでそちらを読んでいただきたいです。
が、モデラーの人はアニメーションについて全く知らない人が多いので、出来れば「AnimationAidが教える「重さの違う3種類のバウンシングボール」」だけでも受講していただきたいです。
このバウンシングボールの講座でアニメーションの面白さや奥深さに魅力を感じたら、「AnimationAidが教える「しっぽと振り子のアニメーションのつくり方」」と「ウォークサイクルの作り方」も受講してみてください。
私自身、もっと早くアニメーションの基礎を学ぶ機会が欲しかったと今更ながら思います。
「3DCG学習の問題点の1つとしてアニメーションを学ぶ段階が非常に遅い」というものがあります。
もっと早くアニメーションの基礎の学習機会に恵まれていたら、3DCGを挫折せずにアニメーションの道へ行くことで多くの人が挫折せずに済んだのではないかと考えます。
結局は私が3DCGアニメーターというポジショントークに過ぎないと思われるかもしれませんが、3DCGを学び始めの頃は、3DCGの様々な工程を経験して自身の適正にあったポジションを見つけるのが1番です。
Maya初学者におすすめの本(Udemyで学ぶMayaの基礎コースの補完用)
今の時代はすべてネットから学んでも良いのですが、辞書的に使える参考書が手元にあると安心(特に初学者のうちは)です。
Mayaの初学者用の本として有名なものをいくつかピックアップしておきます。
全部買う必要はないです。気に入ったものが1つ手元にあれば十分です。
Autodesk Maya トレーニングブック 第4版
私がMayaを学習しているころに、この本の初版や第2版で学んでいました。
この本にはいろいろお世話になった記憶があるのでここで紹介しておきます。
Mayaベーシックス 3DCG基礎力育成ブック
上で紹介したMaya 必須基礎習得コース Maya Essential Fundamentals Course 「伊藤脳塾WIZ」の伊藤克洋氏の本がこちらになります。
伊藤克洋氏のUdemy講座が気に入った人には良いのではないでしょうか。
Mayaベーシックス アニメーション&セットアップ基礎力育成ブック
こちらも伊藤克洋氏の本です。
「Mayaベーシックス 3DCG基礎力育成ブック」の下巻ということです。
上巻で触れられていなかったアニメーションとキャラクターセットアップについて書かれています。
「モデリング」か?「アニメーション」か? どちらかに決めろ!
次にすることは、「モデリング」と「アニメーション」のどちらのほうに興味を持てたかを自己確認してください(上で挙げた講座ではアニメーションの講座は1つしかないので、「AnimationAidが教える「重さの違う3種類のバウンシングボール」」を受講してアニメーションの基礎を学ぶことを強くおすすめします)。
この後、「モデリング」と「アニメーション」で学ぶことが別れて行きます。
ここで「え?」とか「ん?」と思った方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、3DCGには「モデリング」と「アニメーション」以外にも重要な工程(分野)があります。
「リギング」や「FX(エフェクト)」、「ライティング」や「レンダリング」、「コンポジット」等があります。
「リギング」、「FX」、「ライティング」、「レンダリング」といったことは、「モデリング」や「アニメーション」がそれなりに出来るようになってからの話です。
よって、まずは、「モデリング」か「アニメーション」かを選んでください。「自分はジェネラリストとして全部やるんだ」という方も得意分野というものがあるはずなのでこの段階で決めておきましょう。ちなみに「コンポジット」に関してはMayaの領域ではないので省きます。
映画のクレジットで「CGスーパーバイザー」と「アニメーションスーパーバイザー」という2つの肩書を見たことがあると思います。かたやCGの総責任者、一方はアニメーションの総責任者ということになります。同じCGを作っていながらなぜアニメーションだけの総責任者が必要なのでしょうか。つまり、「アニメーション」が特殊な分野と言うことが出来ます。
そうした意味では「モデリングかアニメーションか?」ではなく、「アニメーションかそれ以外<CG全般>か?」と言いかえることが出来ます。
したがって、この段階で最も重要なことは「アニメーションかそれ以外<CG全般>か?」を決めることです。
「モデリング(Modeling)<CG全般>」に決めた人はこちら。
「アニメーション(Animation)」に決めた人はこちら。
「モデリング(Modeling)<CG全般>」に決めた人のロードマップ
◯ | ✕ |
---|---|
CG学習の王道なので学びやすい。 CG全般に詳しくなる。 絵が上手い、造形力がある等の資質を活かせる。 新しい技術により表現の幅が広がりワクワクする。 特に日本ではキャラモデラーは花形。 | 覚えることが多い。 新しい技術に対応しなければならない。 Mayaだけでなく、他のアプリケーションも学ばなければならない。 いろいろなアプリケーションを使うので費用がかかる。 テクノロジー面の勉強だけではだめで、デッサン力といった地力が物を言う。 |
3DCGにおける一般的なイメージ
「3DCGをやる ≒ 3DCGモデリングをやる」
かつての私もそうでした。
綺麗なスペキュラーが入った3DCGの車を作るのが夢でした(実際は歪んだスペキュラーの車しか作れませんでした(笑))。
そういったわけで、「モデリング<CG全般>」を選んだあなたは、Mayaおよび3DCG学習におけるメインストリートを歩むことになります。
また、専門学校へ通った場合も、ほぼ「モデリング<CG全般>」を学ぶことに多くの時間が費やされます。
この「モデリング<CG全般>」の特徴はとにかく覚えることがたくさんあります。
Mayaの使い方だけでも、多くの機能を使わなければならないので覚えることが多いです。
また、Mayaだけでなく、Photoshop(Substance 3D Painter)やZBrushといった他のアプリケーションも使いこなさないといけません。
ちなみにSubstance 3D Collection(主に使うのはSubstance 3D PainterとSubstance 3D Designer)は、Adobe Creative Cloudとは、別になっているので両方契約する必要があります。
メインの3DCGアプリケーション以外にもサブスクの契約をしなければならないので費用がかかってしまうのが、痛いところではあります。
しかし、学生・教職員向けには、このSubstance 3D Collectionが無料で使えてしまうので、権利がある人(残念ながら<現状では>小中高では3Dアプリは使用できません)は大いに活用しましょう。
ただ、CGが大好きな人や新しいモノ(技術)好きにとっては毎日ワクワクすることができます。
3DCGといえば日本では、3Dモデリングのことを指している場合がほとんどです。
それだけ日本では3Dモデリングは人気があります。
とくに3DCGのキャラモデリングは花形ポジションです。
本と動画で学ぶ
初学者の頃の本と違い、より専門的な内容の本を購入して勉強しましょう。
専門的な内容の本は出版された時期が多少古くても本質的なことが学べるので買う価値があります。
Mayaのバージョンの違っても、初学者の段階でMayaの基本操作をしっかり学んだので問題なくなっているはずです。
Maya実践ハードサーフェスモデリング:プロップと背景から学ぶワークフロー
2015年に出版された本ではありますが、Mayaの参考書として非常に有名です。そして評価も高いです。
海外で活躍されて、現在はModelingCafe福岡支社代表の北田栄二氏(Xアカウント)のこの本は、Mayaだけでなく、他の3DCGアプリケーションを使用している人々からも支持されています。
Mayaでモデリングを学ぶならばこの本はマストバイです。
ソフトウェアやツールの使用方法の説明は最小限に絞り込み、考え方やワークフローで大切なことを解説することに重点を置いています。ソフトウェアの操作やオプションの噛み砕いた説明は行っていませんが、本書を出発点として学ぶことで、学生や新人アーティストもステップアップし、よりプロフェッショナルな知識と技術を習得できるようになるはずです。
ボーンデジタル「Maya実践ハードサーフェスモデリング
プロップと背景から学ぶワークフロー」のページより引用
Autodesk Mayaキャラクターモデリング造形力矯正バイブル 第2版 へたくそスパイラルからの脱出!!
この段階になってくると、造形力やデッサン力といった地力がの勝負になります。
キャラモデリングをしたい人は読んでおきましょう。
Maya2016を使用している部分があり、そこではmentalrayが使用されています。
しかし、もう初学者ではないので問題なくスルーできるでしょう。
「CGWORLD ONLINE TUTORIALS」
正直に言うと私は、動画を見てまでモデリングを学んだことがありません。
なので、具体的なおすすめを挙げることはできません。
しかし、何も書かないわけにもいきません。
そこで、「CGWORLD ONLINE TUTORIALS」を紹介します。
私はモデリングの講座を受けたことはありませんが、アニメーションの講座やセミナーをいくつか受けたことがあります。
基本的に、すべて日本語なのでUdemyの英語講座より前に、まずはこの「CGWORLD ONLINE TUTORIALS」の中で良さそうなものを見つけましょう。
今ではセミナーもオンラインでも見れるようになりました。東京近郊に住んでいる人以外でも気軽に参加できるようになったので、大いに活用してください。
自分の作品を作る
「こういうふうに作るのか…」と作り方がわかったら、自分の作品を作りましょう。
チュートリアルばっかりをやっていると、それだけで満足してしまうようになってしまします。
しかし、元はといえば、自分の作品を作りたくて3DCGをはじめたはずです。
そこで初心に帰って作りたかったもの(作り方がわからなくて諦めたもの)に挑戦してみましょう。
最も上達する方法
最も上達する方法とは何でしょうか。
それは、「自分が上達するためには、適切な人(プロとして活躍している人)に的確なフィードバックをもらい、それに基づいて修正する。」
この繰り返しです。
本当に上達したいならば、これしかありません。
この繰り返しです。
本当に上達したいならば、これしかありません。
「ANIMATION AID」は名前の通り、アニメーションを学ぶオンラインスクールですが、たまにモデリングクラスの募集があるので、申し込んでみると良いでしょう。
他にもモデリングを学べるところはあると思うので調べてみましょう。
ただ、プロとして活躍している人からフィードバックをもらう機会は、それほどありません。
では、3DCGをやったことがない人に見せて感想を聞くことは意味がないのでしょうか。
そんなことはありません。
3DCGをやったことがない友達の感想は率直で厳しいものかもしれません。が、3DCGをやったことがない一般的な人の意見というものは非常に貴重なものです。あなたが作った3DCGを見る人のほとんどが3DCGをやったことがない人なのですから。たとえば車に詳しい人に車のモデルを見せれば、どこがおかしいのか適切にフィードバックしてくれるのではないでしょうか。
ただし、どこがおかしいのかわかったところで、どうやって直せば良いのかまではわかりません。
そこで、やはり3DCGの経験豊富なプロ(上級者)にフィードバックをもらうことが必要です。
「アニメーション(Animation)」に決めた人のロードマップ
◯ | ✕ |
---|---|
アニメーションの技術(スキル)は、一度身につけてしまえば色褪せない(一生使える)。 覚えることが少ない。 アニメーションに関する機能さえ覚えれば良いので、3DCGソフトが替わってもすぐに対応できる。 ショット(カットシーン)作成において、裁量が大きい。 アニメーターは他の職種に比べて数が必要なので需要がある。 | 非常に地味な作業(プレビューとグラフエディターとのにらめっこ)。 裁量が大きいがゆえに、どうしていいかわからなくなることも…? アニメーションしかやっていない人は、新しい技術(テクノロジー)に疎くなりがち(?)。 |
「アニメーション」を選んだあなたは自分の適性を的確に判断しました。
私のように「モデリング」ロードマップにそれなりの時間を費やした後に、アニメーションのほうが向いているとわかるよりも早い段階で「アニメーション」を選んだのですから。
「覚えることが少ない」というのは、アニメーションについての原理原則というものは、「ディズニーのアニメーションの12原則」くらいだからです。
アニメーションの12原則については、いろいろなところで解説されていますが、圧倒的な視聴回数からもわかるように、上のYoutube動画がわかりやすいです。
また、Mayaで使う機能もアニメーション関連のものを覚えるだけなので負担は少ないです。
例えるならば、アニメーションはボクシングや陸上競技、水泳のようなシンプルなスポーツといえます。一方モデリン<CG全般>は様々な道具を使いこなすゴルフや野球(ボール1つでできるサッカーはアニメーションのほうに属するでしょうか)のような複雑なスポーツのイメージです。
そして、アニメーションのスキルは普遍的なものなので新しいテクノロジーが出てきたからといって陳腐化することはありません。
これこそがアニメーションの最大の利点であり特徴です(AIの脅威という問題はありますが…)。
そのかわり、アニメーションしかやっていない(興味がない)人はCGの技術面(テクノロジー)において疎い人も少なくありません。
アニメーションの工程はリギングやエフェクト等と密接に関わっているのでCG全般についてもちゃんと理解する必要があります。3DCGアニメーションをやるのですから、ちゃんと3DCGのテクノロジー面についても興味を持ちましょう。
おすすめの本
増補アニメーターズサバイバルキット
何と言ってもまずはこの「増補アニメーターズサバイバルキット」です。
詳しい解説は過去に書いた記事に譲りますが、とにかくこの本を読まずにアニメーションをやろうなんてことは考えないでください。
この本の存在を知らなかったならば仕方がないで済みますが、今ここで知ったわけなのでこの本からしっかりと学んでください。

キャラクターアニメーション クラッシュコース
「増補アニメーターズサバイバルキット」の次はこの「キャラクターアニメーション クラッシュコース」です。
次は…と書きましたが、「キャラクターアニメーション クラッシュコース」のほうがコンパクトにまとまっていて読みやすいです。
順番からいえば、
「キャラクターアニメーション クラッシュコース」
↓
「増補アニメーターズサバイバルキット」
のほうが読みやすいと思います。

GAME ANIM:ゲーム開発に必要なアニメーションの知識
上で紹介したアニメーションの本は映画についてのアニメーションの本ですが、一方こちらは、本のタイトルからもわかるように、ゲームアニメーションについての本です。
著者は『アサシンクリード』、『マスエフェクト』、『アンチャーテッド』、『The Last of Us』といった世界的に有名なシリーズに関わられた方です。
この本では手付け(キーフレーム)アニメーションについてだけでなく、モーションキャプチャーについても書かれています。ゲームアニメーションのノウハウを学ぶことが出来ます。
また、ゲームアニメーションについてだけでなく、ゲーム開発そのものについても詳しく書かれています。
よって、アニメーションだけでなく、ゲーム開発に興味がある(ゲーム会社で働きたい)人は読んでおきましょう。

おすすめの動画
「アニメーション」を動画で学ぶ利点
- 実際に動いているアニメーション(お手本)を見ることが出来る。
- アニメーションを作っている過程を見ることが出来る。
アニメーションを学ぶための名著を紹介しましたが、「アニメーション」というものの性質上、動画から学ぶことはお多いです。
特に、実際にアニメーションを作っている過程を見ることは、とても勉強になります。
Tスタンスのキャラクターに徐々に生命を注入していっている様子を見ると、まるで人形に魔法をかけているようです。
かつて、とても上手いアニメーターの実演を見て「アニメーターって魔法使いみたいだな」と思い感動したのを覚えています。
ただし、ひとつ注意しないといけないことは、そうした実演を見ると自分も上手くなった気になってしまうので、その点は勘違いしないようにしましょう。
「他の人がどのようにアニメーションを作っているか?」は、初心者のみならず経験の長い人でも気になるものです。
以下で紹介する動画教材を順番通りに学んでみてください。
AnimationAidが教える「重さの違う3種類のバウンシングボール」

「AnimationAidが教える「重さの違う3種類のバウンシングボール」」は
「CGWORLD ONLINE TUTORIALS」にある講座のひとつです。
こちらは「ANIMATION AID」代表の藤原さん(Xアカウント)の講座です。
アニメーションの基礎を学ぶといったら、まずは「バウンシングボール」です。
Michal Makarewicz(マイカル・マカレヴィッチ)さんのアニメーションマスタークラスで、「バウンシングボールが作れればどんなアニメーションも作れる」とのことでした。
バウンシングボールで学べること
- タイミングとスペーシング
- イーズインとイーズアウト
- グラフエディターの使い方
- レイヤードアプローチの手法の一部(マスタースプラインの活用等)
したがって、まずはこの「AnimationAidが教える「重さの違う3種類のバウンシングボール」」でバウンシングボールのアニメーションを学びましょう。

バウンシングで学べることの詳しい内容は、アニメーションマスタークラスのvol.3に書いてあります。

レイヤードアプローチについてはこちらの記事を御覧ください。

AnimationAidが教える「しっぽと振り子のアニメーションのつくり方」

「AnimationAidが教える「しっぽと振り子のアニメーションのつくり方」」も「CGWORLD ONLINE TUTORIALS」にある講座のひとつです。
「ANIMATION AID」の若杉さん(Xアカウント)の講座です。
バウンシングボールの次は、「AnimationAidが教える「しっぽと振り子のアニメーションのつくり方」」で「オーバーラップ」と「フォロースルー」について学びましょう。
私は、セカンダリのアニメーションをつけるのが苦手なので購入しました。
ウォークサイクルの作り方

「ウォークサイクルの作り方」も、「CGWORLD ONLINE TUTORIALS」にある講座のひとつです。
ウォークサイクルについては、上で紹介した『増補アニメーターズサバイバルキット』だけで十分です。
が、しかし、『増補アニメーターズサバイバルキット』は、手書きの2Dアニメーションの本です。
2Dを3Dに落とし込むための橋渡しとして、この「ウォークサイクルの作り方」が大きな役割を果たします。
手書きの2Dアニメーションをそのまま3DCGアニメーションに落とし込もうとすると、3DCG独特の問題が起こります。その最たるものが、IK(インバースキネマティクス)による膝のポッピングです。この膝のポッピング問題の調整方法も動画で解説されています。
ぜひ、上で紹介した『増補アニメーターズサバイバルキット』とセットにして学びましょう。
ちなみにこの講座で使っているリグは私の記事で紹介しているのでよかったら御覧ください(のっぺらぼうのリグは無料で使えます)。

初心者からの3Dキャラクターアニメーション完全マスター講座|キャラクターに生命を吹き込む!

「初心者からの3Dキャラクターアニメーション完全マスター講座|キャラクターに生命を吹き込む!」は、Udemyの講座です。
こちらは、実際にショット(カットシーン)を作るための講座です。
上で紹介した3つの動画教材は、アニメーションの基礎を学ぶものでしたが、この「初心者からの3Dキャラクターアニメーション完全マスター講座|キャラクターに生命を吹き込む!」では、実際にショットをどのようにつくれば良いのか?を学ぶことが出来ます。
この動画では、実際のショット作業の様子がかなりの部分を占めています。特に、初めてショットを作ろうとしている人には、参考になるはずです。
作業の様子を動画で見ることが出来るだけでなく、1つのショットを作るにあたって
作業前にやること
↓
プランニング
↓
リファレンスの準備
↓
レイアウト
↓
ブロッキング
↓
スプライン
↓
ポリッシュ
といった、ショット作成の手順について学ぶことが出来ます。
自分の作品を作るときは、しっかりとこのような手順を踏んで作るようにしっかりと学んでください。

自分の作品を作る
上で紹介した教材で学ぶ過程で「バウンシングボール」、「しっぽと振り子のアニメーション」、「ウォークサイクル」は、作ってみたと思います。
今度は「初心者からの3Dキャラクターアニメーション完全マスター講座|キャラクターに生命を吹き込む!」で学んだ「プランニング→リファレンスの準備→レイアウト→ブロッキング→スプライン→ポリッシュ」という手順を踏んで、自分の作品を作ってみましょう。
最も上達する方法
「「モデリング(Modeling)<CG全般>」に決めた人のロードマップ」のところでも書いたことと同じです。
それは、「自分が上達するためには、適切な人(プロとして活躍している人)に的確なフィードバックをもらい、それに基づいて修正する。」
この繰り返しです。
本当に上達したいならば、これしかありません。
アニメーションの場合は「ANIMATION AID」や「Anitoon Academia」といったオンラインがあるので、そこで学ぶのが確実な方法です。
他にもフィードバックをもらって学べるところはあるかもしれませんが、この2つならば、確実に的確なフィードバックをもらえるでしょう。
本気で上達したいならば検討してみましょう。
まとめ
効率の良いMaya(3DCG)学習のロードマップ。
- UdemyのMayaの基礎コースで基本操作と一通りの作業プロセスを学ぶ。
- 「モデリング(Modeling)<CG全般>」か「アニメーション」か、どちらを学ぶか決める。
- 本や動画のチュートリアルをこなす。
- 個人作品を作り、適切な人(プロとしてやっている人)に的確なフィードバックをもらい、それをもとにブラッシュアップする。
Maya学習のロードマップは以上です。
Mayaにかぎらず、「3DCGの学習のロードマップ」です。
基本的には「3」と「4」の繰り返しです。
作り方がわからないものは「3」で作り方を覚えて、「4」で実際に使えるレベルまで持っていきます。
ただし、「4」の的確なフィードバックをもらうということは、それほど簡単ではありません。
しかし、それだけに上達へ最も効果がある方法です。
今は、オンラインスクールでプロとして活躍している方に直接指導を受けることが出来ます。チャンスがあれば積極的に利用しましょう。
最後に、私が3DCGアニメーターという立場上どうしてもアニメーターよりの内容になってしまいました。
「モデリング(Modeling)<CG全般>」を選ばれた方にとっては、アドバイスを受けるうえで、私よりもっとふさわしい人が必ずいるはずです。なので、「モデリング(Modeling)<CG全般>」で有益な情報を発信されている方を探してみてください。






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