「LMrigger」という便利なMayaのツール(スクリプト)を紹介します。
「LMrigger」は、主にリギングで使用するツール(スクリプト)です。
「LMrigger」は、joint orientを整える機能とFKのコントローラーを作成する機能の2つを備えた便利なツール(スクリプト)です。
しかも、joint orientを整える機能は過去の記事で紹介した「cometJointOrient」の完全上位互換です。「cometJointOrient」を使っている人は今すぐこの「LMrigger」に置き換えましょう。
そして、FKのコントロールリグを作る機能も細かいところまで配慮された気の利いたツール(スクリプト)です。
さらに、無料で使えるということで無料で使えるので、使わない理由がありません。
リギングをする人は要チェックです。
「Luismi Herrera」さんは、他にも「LMLocator」や「LMSpring」といった有用なツールを無料で公開されています。
過去の記事で「LMLocator」と「LMSpring」について書いているので、興味があれば御覧ください。


「LMrigger」とは
「LMrigger」は「Luismi Herrera」というアカウントがGUMROADで提供しているMayaのリギング用の無料のツール(スクリプト)です。
上の公式サイトで提供されている画像(動画)を見ると、jointにコントローラーをつけるツール(スクリプト)だということが一目でわかります。
しかし、さらに以下の公式サイトの画像を見ると、それだけではないことがわかります。
インターフェイスを見ると上半分が「cometJointOrient」という、私が過去の記事でとりえあげたツール(スクリプト)と同じような構成になっています。このことからもわかるように「cometJointOrient」と同じくjoint orientを整える機能があります。
しかも、「LMrigger」は「cometJointOrient」の完全上位互換です。
したがって、いまだに「cometJointOrient」を使っている人は、必ず「LMrigger」に置き換えてください。
「cometJointOrient」はサイトがhttps化されておらず、危険性がないとは言えない状態です。しかも、「cometJointOrient」はMaya6.01時代に書かれた(スクリプトにそう書いてある)相当に古い(Melだからこそ古くても動くというのが利点ではありますが…)ものです。
気になるのはどこが完全上位互換なのかです。
それは、joint orientを整える(X軸を子の方向へ向ける)際に、一番先っぽのjoint(子がないjoint)のjoint orientも揃えてくれることです(「cometJointOrient」は、一番先っポのjointのjoint orientは手動で整える必要がありました)。
というわけで、「cometJointOrient」を使っている人は「LMrigger」に置き換えてください。

「LMrigger」の使用方法
インストール方法
「LMrigger」をダウンロードしたzipファイルを解凍すると、「install.mel」というファイルがあります。
その「install.mel」をMayaのビューポートにドラッグアンドドロップすればインストール完了です。
シェルフにアイコンが表示されるので、そのアイコンをクリックすると「LMrigger」のWindowが立ち上がります。
「LMrigger」のインターフェイス

「LMrigger」のインターフェイス | |
---|---|
「Show Axis」 | jointの「Local Rotation Axes」を表示する。 |
「Hide Axis」 | jointの「Local Rotation Axes」を非表示にする。 |
Primary Axis | デフォルトが「X」(jointのX軸が子の方向を向く)と「+」(「-」にすると反転する) |
Secondary Axis | デフォルトが「Y」と「+」 |
World Up Axis | デフォルトが「Y」と「+」 |
Orient To World | joint orientをWorldの軸に合わせる。 |
ORIENT JOINTS | joint orientを整える。 |
Tweak | 「X軸」「Y軸」「Z軸」を回転させる単位。「Zero」を押すとすべて値を「0」に戻す。 |
Manual – Rotation | Tweakの数値に基づいて「+」方向に回転する。 |
Manual + Rotation | Tweakの数値に基づいて「-」方向に回転する。 |
Control Shape | コントロールリグの形。デフォルトは「Circle」。他の形状は「Cube」「Square」「Triangle」「Cross」「Arrow」「Four Arrows」がある。 |
Shape Normal | デフォルトは「X」。コントローラーをどの軸に沿って配置するか。 |
Left Controls Suffix: | 同じ文字列があれば左側のコントローラー(Leftの色に基づいた)として作成する。 |
Right Controls Suffix: | 同じ文字列があれば右側のコントローラー(Rightの色に基づいた)として作成する。 |
Left | Left側のコントローラーの色を決める。デフォルトは赤。 |
Middle | LeftとRightのどちらにも属さないコントローラーの色を決める。デフォルトは黄色。 |
Right | Right側のコントローラーの色を決める。デフォルトは青。 |
Change Selected Contorols Color | 選択したコントローラーの色を個別に変える。 |
? | Luismi HerreraのGUMROADへリンク。 |
CREATE CONTROLS | コントロールリグを作成する。 |
joint orientを整える機能
上半分がjoint orientを整える機能になっています。
上に書いたように一番先っポのjoint orientも綺麗に揃えてくれます。
「cometJointOrient」の完全上位互換なので、これからは「LMrigger」を使いましょう。
FKのコントロールリグを作成する機能
joint orientを整えるだけでなく、FKのコントロールリグも作ることが出来ます。

しかも、作ったコントロールリグはちゃんとグループ分けされます。
「Constraintノードをまとめたグループ」と「コントロールリグをまとめたグループ」に分けてくれます。

さらに、「コントロールリグをまとめたグループ」は、コントローラーの「Translate」「Rotate」の値がすべて「0」になり、「Scale」の値がみんな「1」になるように、オフセット用の空グループ(null)を挟んでくれています。
細かいところまで、配慮されたすばらしいツール(スクリプト)です。
まとめ

- 簡単にjointにFKのコントロールリグをつけることが出来る。
- 簡単にjoint orientを整えることができる(cometJointOrientの完全上位互換)
- 無料で使える
- Windowの一部の文字の表示が崩れて上手く表示されない
「LMrigger」は痒い所に手が届く、細かいところまで配慮された気の利いたMayaのリギング用のツール(スクリプト)です。
Luismi HerreraさんのGUMROADでは、他にも便利なスクリプトがあります。
「LMlocator」は、とても有用なツール(スクリプト)です。
リギング用途よりも、アニメーション用途で重宝します。
「Luismi Herrera」さんは、他にも「LMLocator」や「LMSpring」といった有用なツールを無料で公開されています。
過去の記事で「LMLocator」と「LMSpring」について書いているので、興味があれば御覧ください。



Mayaで使える便利なツール(スクリプト、プラグイン)をまとめた記事はこちらです。

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