【Maya tools and scripts】「animBot」の使い方 part1

当ページのリンクには広告が含まれています。

Mayaによるアニメーション作成の生産性を向上させるツール「animBot」の使い方について解説します。

ちなみに私が使用している「animBot」は「ecoバージョン」という月額5$(年額60$)という最も安価なバージョンです。しかしながら、「animBot」は「ecoバージョン」でも十分なくらい多くのツールが使えます。将来的にアップグレードを検討している方もまずは「ecoバージョン」の機能から学ぶのが良いでしょう。

「animBot」についてよくわからない方は、まず、以前書いた記事を読んでからこちらをお読みください。こちらの記事ではインストール方法だけでなく、はじめにやっておいたほうが良いHotKeyの設定や、まず最初に理解すべきツールについても書いてあります。

目次

Increase Precious Transform と Decrease Precious Transform

Increase(Decrease) Precious Transform

「Increase(Decrease) Precious Transform」はアトリビュートの値を四角の中の数値分足したり引いたりするツールです。

グラフエディタやチャンネルボックスに「+=0.5」と打ち込んでエンターを押すと現在の値に0.5足された数値が入力されます。ちなみに「-=0.5」の場合は0.5が引かれた数値が入力されます。

このように面倒な作業をしないで直感的に操作できるために生産性があがります。

Nudge Right と Nudge Left

Nudge Left(Right)

「Nudge Left(Right)」は上の「Increase(Decrease) Precious Transform」のキーを操作するバージョンです。

アニメーションキーやアニメーションカーブを前後にずらす際に使用します。

単に入力されたフレーム分ずらすだけでなく「Inbetween」を挿入してその後ろにあるキーをその分後ろにずらしたり、シーンごとずらすことも出来ます。手作業ですべてをずらす場合にはミスをした経験がある人は多いでしょう。Graph EditorやDope Sheetで同じことをやると動作が重かったり、選択から漏れるキーがあったりと結構大変です。このような経験を持つ人にはとてもありがたい機能です。

Reset Pose と Share Keys

Reset Pose と Share Keys

Reset Poseはキャラクターのポーズをデフォルトの状態に戻します。

Reset Pose の他のオプションも表示したところ

ポーズをもどすときにこちらのオプションを使用するとTranslation、Rotation、Scaleそれぞれの値だけをリセットすることもできます。

このツールは基本的にはチャンネルボックスの値を「0」に戻すだけです。なのでNorman Rigのように手首のRotation Yにデフォルトで90近い値が入っている場合はデフォルトポーズにならずに「0」に戻すだけです。その場合は「Snapshot Preferred Default Pose」を使用してデフォルトポーズを定義してから使用してください。

Share Keys

Share Keysは選択したオブジェクトに打たれているキーフレームと同じフレームにすべてのチャンネルボックスのあトリビューとに対してキーが打たれます(値はデフォルトのままで)。

使用方法の例として思いついたのは、ポーズtoポーズでブロッキングをしていて今までは使用していなかった部位を途中参加させるために今までキーを打っていなかったフレームにデフォルトの状態でキーを追加する場合には一瞬で出来るので便利です(すべてのコントローラーの同じフレームにすべてキーが打たれている(縦のキーがすべて揃っている)非常に修正しやすい状態にすぐできます)。

Smart Tint Keys

Smart Tint Keys

※今までは左から順番にツールを紹介してきましたが、便宜上この「Smart Tint Keys」を先に扱います。

「animBot」では「」の3色のキーを使用することが出来ます(使わなくても構いません)。

」のキーはデフォルトのMayaで使われているキーの色です。このデフォルトのキーと区別するために「」と「」のキーを使うことが出来ます。

自分で明示的に「」と「」のキーを打つことも出来ますが、基本的にはこのあとに紹介するスライダーを使用してキーを生成した場合に「」と「」のキーが打たれることになります。

先に説明してしまうと、「」のスライダーを使用してキーを生成した場合は「」のキーが打たれ、「」のスライダーを使用してキーを生成した場合は「」のキーが打たれます。

Smart Tint Keys の使い方(2021.11追記)

想定されている使い方としては、キーポーズには通常の「」のMaya標準のキーを使います。

ブレイクダウンやエクストリームといったポーズには「」のキーを使って区別します。

そして、「animBot」によってベイクされたキーは「」になります。

キーの色はあとから自由にかえることが出来るので、この使い方にこだわる必要はありません。

」や「」のキーだけ消すことができる(もちろん「」だけを消すこともできます)ので、特に緑色でベイクされたところだけを素早く消して戻すことができるのでアニメーション作業の柔軟性が増します。

Ease In | Out (EA)スライダー

Ease In | Out
Ease In | Out

上の動画のようにスライダーを動かすとEase In | Outするようにキーが動きます。

また、この緑色のスライダーは「Ease In | Out」以外のスライダーもあります。

かなりの数のスライダーがあるので特に有用なもののみ紹介します。

Simplify | Bake Keys (SB)

Simplify | Bake Keys

スライダーを動かすことでBakeしてくれます。また逆に動かすことでキーを減らしてくれますが、あまり逆に動かすとカーブの原形が変わってしまうので注意です。

手作業で1つ1つキーを打たなければならない場合は非常に手間がかかりますが、このツールを使えばすぐに範囲内のすべてにキーを素早く打つことができます。非常に生産性を上げてくれるツールです。

上の「Smart Tint Keys」で書いたようにこの方法でキーを打つと「」のキーフレームが生成されます。

Noise | Wave (NW)

Noise | Wave

Noise | Wave(NW)スライダーは、右に動かすと上下に波を作ります。左に動かすとノイズのある波を作ります。手作業でこれらをやるのは大変手間がかかるのでこちらも非常に有用なツールです。


他にもカーブをSmoothやRoughにする「Smooth | Rough(SM)」。

Aaron Koressel」のツールにもある「Pull | Push」も便利です。

11種類もあります

ここで紹介していないものもスライダーの上にマウスカーソルを置くと動画での説明が表示されるので使用方法はすぐにわかるようになっています。

Tweener(TW) スライダー

Tweener

Tweener(TW)スライダーはいわゆる「Tween machine」です。

Tween machineとはスペーシングを調整するためのツールです。

スペーシングについてよくわからない人は過去の記事を参照してください。

Tweener

スライダーを右に動かすとキーの位置を終了フレームよりに移動し、左に動かすと開始フレームよりに移動してスペーシングを調整することができます。

この「Tweener」でキー打つと「」のキーフレームが生成されます。

Blend to Mirror(BM)

Blend to Mirror
Blend to Mirror

右手のポーズを左手に移したり、右手のポーズと左手のポーズを入れ替えたりといった使い方ができます。


こちらは9種類あります

他には同じ傾きでキーを生成してくれる「Blend to Infinity(BI)」。

「Ease In | Out」と同じような「Blend to Ease(BE)」。

などこちらも便利なツールが揃っています。

とりあえず今回の解説はここまでです。

次に続きます。

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

目次