【Maya tools and scripts】Overlapper の使い方【MEL】

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Overlapperの使い方

おそらく、Mayaで揺れものアニメーションをつけるツールで最も有名なのがこのOverlapperではないでしょうか。

このOverlapperは、以前紹介したreParent(Pro Version)と同じ、Dmitri Kolpakovさんのツールです。

ともに有料のツールで、両方とも20$(2025/1/7現在)」です。

今回紹介するOverlapperと前回紹介したreParent(Pro Version)は、Mayaでアニメーションを作るうえで、クオリティーアップに大きく貢献してくれます。

唯一20$(2025/1/7現在)」というのが、気になる点ではありますが、常にMayaのシェルフに常駐しておきたいツールです。

目次

Overlapper とは?

「百聞は一見に如かず」ということで、動画でどんなものかを確認してみてください。

簡単なパラメーターの設定で、オーバラップアニメーションをつけられます。

上の動画を見れば分かる通り、少ないパラメーターでオーバーラップアニメーションをつけることができます。

特に、羽の動きが柔らかくて素晴らしいです。

ver.1.1になってループアニメーションに対応しました

腰の動きをつけるだけで、あんなにも柔らかいアニメーションになるのは驚異的です。

Overlapper のインストール方法

今はMELファイルをビューポートにドラッグアンドドロップでインストールできます。

上の動画が公開されたのは結構前なので、今はOverlapper_1.1.2_drag_and_drop.melをMayaのビューポートにドラッグアンドドロップするだけでインストールすることができます。

Overlapper のインターフェイス

Overlapperのインターフェイスはパラメーターも少なくすっきりしていて使いやすいです。

Overlapper
Advanced
Debug modeOverlapperが動作時に使ったjointとLocatorとConstraintの情報を消さずに残す。
つまり、Overlapperがどのように動いているかわかる。
Bake animation layerアニメーションレイヤーにベイクする。
Adaptive scaleデフォルトでチェック済み。再びOverlapperをかけた時に、先っぽのほうの動きがより大きくなるように動きが加算される。
Create selection setデフォルトでチェック済み。OverlapperをかけたものをQuick Select Setにする。
Delete Reduntantチェックを入れるとアニメーションが終わったあとにはキーを打たない。
チェックがないと、タイムスライダーの範囲はベイクされてしまう。
ClenanUp「Create selection set」で作ったQuick Select Setを消す。
Help
Intro「Intro」の動画を見れるはずだが、vimeoのページに動画が存在しない。
つまり、機能しない。
Tutorial「Tutorial」の動画を見れるはずだが、vimeoのページに動画が存在しない。
つまり、機能しない。
Softnessデフォルトで「3.00」。
Scaleデフォルトで「1.00」。
Wind風の影響を付け足せる。
※ただし、Cycleモードが機能しなくなる。
ScaleWindの設定。デフォルトで「1.00」。
グレーアウトされているが、数値を変更することができる。
SpeedWindの設定。デフォルトで「1.00」。
グレーアウトされているが、数値を変更することが出来る。
Options
Don’t use first controls最初に選んだコントローラーには動きをつけない。
※ただし、Cycleのチェックを入れると機能しない。
Add translateOverlapアニメーションにTranslateの動きを追加する。
Hierarchy親を選択するとその子を選択しなくてもOverlapする。
Cycleサイクルのアニメーションを作成する。
Windを使った場合はサイクルのアニメーションは出来ない。
Overlapツールを実行する。
設定項目が少ないため、すぐに使えます。

Overlapperのパラメーターの検証

実際に簡単なリグ(LMriggerで簡単に作ったものです)を用いてパラメーターの検証をしてみます。

ベースの動き

ベースのアニメーション

まずは、FKの尻尾を用意して、上下に動くだけのサイクルアニメーションを作りました。

これにOverlapperをつかってオーバーラップをつけます。

Scaleの検証

Scale 1(デフォルト)

Scaleの値を「1(デフォルトのまま)」にして、Overlapを適用すると上の動画のような動きになります。

左のコントローラーから順番に5つのコントローラーを選択して「Overlap」ボタンを押します。

Scaleを「2」に増やした場合

Scaleを「2」にすると、オーバーラップの動きが大きくなりました。

Scaleを大きくすると、動きが大きくなることがわかります。

以後はScale「2」を基準に検証します。

Softness

Softnessが「3」(デフォルト)の場合

Softness「3」、Scale「2」の設定で、上のScaleの検証の動画と同じものです。

Softnessを「6」に増やした場合

Softnessの値をデフォルトの2倍の「6」にした場合です(Scaleは動きがわかりやすいように「2」です)。

尻尾の先端の動きが増して、Softnessという名前の通り柔らかくなりました。

Adaptive Scale

まず、Softness「3」、Scale「2」の設定で「Overlap」を適用します。

Softness 「3」、Scale「2」の設定で「Overlap」を適用したもの

Scaleの検証の動画でScaleを「2」にしたものと全く同じものです。

Softness 「3」、Scale「2」の設定をAdaptive Scaleでもう一度適用したもの

さらに、「Adaptive Scale」にチェックがついた状態で、もう一度Softness 「3」、Scale「2」の設定で「Overlap」を適用します。

すると、上の動画のように柔らかくなり、先っぽの動きが増しました。

「Adaptive Scale」がないと、ギクシャクした動きになります

デフォルトで入っている「Adaptive Scale」のチェックを外して、もう一度Softness 「3」、Scale「2」の設定で「Overlap」を適用すると、上の動画のようにギクシャクした動きになってしまいます。

「Adaptive Scale」のチェックをはずすことは、まずないでしょう。

Overlapper のワークフロー

Overlapperは、設定項目が少なく、使い方に迷うところはありません。

しかし、公式の動画を見ると具体的な使い方がよくわかります。

このグニャグニャ感が気持ちいい

とにかく、Overlapperという名前通り、オーバラップのアニメーションをつけて、グニャグニャと柔らかくすることが得意なツールです。

オーバーラップのありなしで、クオリティーの差がこれほどまでも

この恐竜の例では、オーバラップがあるのとないのでは、どれほどクオリティーに違いがあるのかがよくわかります。

オーバーラップのお陰でこれほどまでに見栄えのするアニメーションになるならば、20$は高くないと思わされます。

LMSpringとの違い

以前、LMSpringという揺れモノアニメーションをつけるMayaのツール(スクリプト)を紹介しました。

ここでは、今回紹介したOverlapperと以前紹介したLMSpringとの違いについて解説します。

Overlapper
LMSpring
  • 有料。
  • シミュレーションを使わない。
  • サイクル(ループ)アニメーションを作ることが出来る。
  • 無料。
  • ダイナミクス(Soft Body)を使う。
  • サイクル(ループ)アニメーションを作ることが出来ない。

1番わかりやすい違いは、Overlapperは有料(20$)なのに対してLMSpringは無料だということです。

LMSpringSoft Bodyを使ってダイナミクスをしているので、サイクルのアニメーションを作ることはできませんでした。

しかし、このOverlapperでは、レイヤードアプローチ的にアニメーションカーブをずらして揺れモノのアニメーションをつけるので、サイクルのアニメーションを作ることが出来ます。

このように、ダイナミクスを行わないことで動作が安定しているという利点があります。

ただし、上でも述べたように風の設定をつけたすと、Cycleのモードは機能しなくなります。

※Mayaの揺れモノツール(スクリプト)として、新たにOverlap Helperについての記事を書きました。
こちらのツールの最大の特徴は、スキニングされたメッシュ(のVertex)を揺らすことが出来ます。

まとめ

Overlapper
総合評価
( 5 )
メリット
  • 設定が簡単。
  • 風の設定も行える。
  • 動作が安定している。
デメリット
  • 有料である。

以前にMayaで揺れモノアニメーションをつけるツール(スクリプト)としてLMSpringを紹介しました。

LMSpringは無料で使えるとても素晴らしいツール(スクリプト)です。

しかし、今回紹介したOverlapperは有料ではあるものの、簡単にサイクルアニメーションがつくれるので、サイクルアニメーションを作る機会が多いゲームアニメーションではとても重宝することになります。

動画で見たように、オーバーラップアニメーションがあるのとないのでは、クオリティーに雲泥の差が生まれます。

OverlapperLMSpringのようなツールを使うことでアニメーションをクオリティーアップすることができるのでこれらのツールが、どれほど効果的なのかわかるだけでなく、さらに、時短になり作業効率アップにもつながります。

たしかに、「こういったツールがないとなにも出来ない人」になってはいけませんが、非常に有益なのは間違いないので導入を検討してみましょう。

無料で使えるLMSpringはとりあえず入手しておいて損はありません。

Mayaの揺れモノツール(スクリプト)としては、Overlap Helperも忘れてはいけません。

Dmitri KolpakovさんのreParent(Pro Version)もとても素晴らしいツールです。

Lightバージョンは無料で使えるので、まずはそちらから試してみましょう。

Overlapperの使い方

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