3D人さんのところで「Zoo tools」というものを知ってから、ずっと興味をもっていました。
「Zoo tools」についていろいろと検索してみたのですが、日本語での情報がとにかくありません。皆無といっていい状況でした(少なくとも使用した人のレビューはありませんでした)。
そういったわけで人柱になるべく、前から気になっていたMaya用多機能ツール「Zoo tools Pro」を導入してみました。
私のように「Zoo Tools」について興味はあったけど日本語の情報がなくて困っていた人の助けになれば幸いです。
「Zoo tools Pro」とは?
とりあえず上の動画を見ればどんなものかが大体分かると思います。
「Create 3D Characters」が提供しています。
1の頃はよく知りませんでしたが、「Zoo tools Pro 2」になっていたんですね。
まずは上の動画で目についたのは「LIGHT PRESETS」と「WRINKLE CREATOR」です。さらに様々な「MODEL ASSETS」がついてくるのも素晴らしいです。もちろん、「HIVE」を中心としたリグ関連のものにも興味津々です。
「Light Presets」
3DCGをやっているならばすべての人が理解しているライティングの重要性。
MayaでArnoldが使われるようになってから設定項目が減って素人でもレンダリングし易い環境になったのは非常にありがたい限りです。しかし、ライティングの不味さによって素人臭さ(素人がやっているのだから当然ではありますが)がでてしまうのものです。
そこで、この「Light Presets」を使うことである程度のクオリティの状態からライティングをスタートできる(そのまま使えることは少ないのでさすがに微調整が必要です)のは大きいです。また、ライティング素人の大きな味方であるだけでなく、プリセットの状態からライティングについて学ぶこともできます。「三点照明」より先のことを学ぼうとすると使用例から学ぶしかありません。その学ぶための例として数多くのプリセットが収録されているのは学習者にとって貴重な学習資料となってくれます。
「Wrinkle Creator」
クロスシミュレーションは非常に効果的で美しいものですが、面倒なことが多そうで今まで触れないでおいた分野の1つです。でも、この「Wrinkle Creator」ならば出来そうな気がしてきたのでチャレンジしてみたいと思います。
「Wrinkle Creator」の使い方を記事にしました。想像していた通りに簡単に使うことが出来ました。
詳しくは以下の記事を御覧ください。

「Natalie Rig」
様々な「MODEL ASSETS」の中にこの「Natalie Rig」が含まれています。
「Natalie Rig」は「HIVE」という「Zoo tools Pro」のオートリグシステムで作られています。
はっきりいってこの「Natalie Rig」だけのためにZoo tools Proを導入するのも価格てきにも大いにアリです。
「HIVE AUTO-RIGGER」
「Advanced Skelton」や「mGear」のライバルとなりそうなのが「HIVE AUTO-RIGGER」です。
上のはベータ版の動画ですが、2023年12月に正式版がリリースされました。
「Natalie Rig」の出来が非常によさそう(まだ触っていません)なので、とても期待しています。
この「HIVE」で作られたリグは「HIVE EXPORT FBX」を使って、Unreal Engine、Unity、Houdini、3dsMax、BlenderなどにFBXで出力することができます。上の動画にもあったようにUnreal Engineへの出力が簡単にできるようです(まだ試していません)。
本来ならばこれだけで高額販売していてもおかしくないレベルです。
「Zoo tools Pro」の概要
「Zoo tools Pro」にはどんなツールがあるのかをまとめました。
アセット(リグ付きのキャラクター含む)、モデリング(UVのツールも含む)、リギング(HIVEという独自のリギングシステムを含む)、アニメーション、シミュレーション、ライティング、レンダリング(複数のレンダラーとカメラのツールを含む)といったあらゆるジャンルが網羅された「Mayaの統合ツールセット」です。
すべて把握するだけでも大変なので、興味のあるところのリンクをたどって見てください。
「Zoo tools Pro」に含まれるツール一覧
「Zoo tools Pro」の価格は?
初回の支払い 30$ + 10$ (1ヶ月のサブスク料金) | サブスクリプション 10$/月 | |
---|---|---|
トレーニング動画へのアクセス | ||
トレーニング用のファイルの使用 | ||
ZOO TOOLS PRO | ||
ツールのアップグレード | ||
アセット・プリセットの使用 | ||
アセットのアップグレード |
最初に「40$」を支払うと、1ヶ月間サイトにアクセスしてトレーニング動画を見たり、ツールやアセットのダウンロードが出来るようになります。
そのままの状態だとサブスクリプション契約になっているので、翌月に自動的に10$が支払われる設定になっています。しかし、キャンセルすれば翌月から10$を自動で支払わされることはなくなります。
よって、アップグレードしたいときだけ10$を支払いたい場合はすぐにキャンセルしておきましょう。
注意すべき点は、契約後の1ヶ月の間に自分のローカルPCにツールとアセットをダウンロードして、大事に保存しておくことです。ダウンロードしたものはサブスク契約期間終了後にもツールを再インストールしたり、アセットを使用することができます。
「高いのか?」「安いのか?」
はっきり言って「安い」です(上の表にあるものがすべて含まれています)。
上にも書いたように「Natalie Rig」だけでも40$で売っていてもおかしくないです。
「WRINKLE CREATOR」も40$と言われたら買ってしまいそうです。
しかも「HIVE」というオートリグシステムまでもついています(こちらのほうが頻繁なアップデートを受けないと本格稼働は難しいですが)。そして、「LIGHT PRESETS」や多くの「MODEL ASSETS」もそれなりの価格で別売りされていてもおかしくないレベルです。
今回は取り上げませんでしたが、モデリングツールやUVツール、アニメーションのツールなどもあります。これらのツールも単体でも販売できるレベルのものです。
まとめ

- 様々なツールとアセットのセットが40$(初回)でアップグレード10$という親切な価格
- 「Natalie Rig」というリグ単体でも勝負できるすばらしいリグまでついている
- 「ZOO CHAT-GPT」でMAYAでCHAT-GPTが使える
- 認知度がそれほど高くないのか情報が少ない
とにかく、すごいツールで将来性もあります(GTP4サポートが利用可能になり次第追加予定とのこと)。
しかしながら、これだけすごいポテンシャルがあるにもかかわらず、そのわりにはあまり認知されていないようです。
これをチャンスと捉えるか、よくわからないものには近づかないでおくのかは人それぞれです。
ですが「アップグレードしたいときに10$払えばOK」という良心的な設定に感謝して、私はとりあえず飛び込んでみました。とりあえず1ヶ月のうちになるべく多くのトレーニング動画を見て、理解しやすいものから少しづつ使えるようにがんばりたいと思います(まず最初に「Light Presets」を触ってみましたが、これだけでも十分に楽しくてライティングの勉強にもなります)。
このようにまだ触り始めた段階なので使えるようになったものから記事にして行ければと考えています。


Mayaで使える便利なツール(スクリプト、プラグイン)をまとめた記事はこちらです。

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