CASIO GP-510BP レビュー

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コロナ禍で給付金10万円というものがありました。みなさんもその使いみちに色々悩まれたことと思います。巣ごもり需要ではゲーム機やPCとともに電子ピアノもよく売れているそうです。そのようななかで私はこれからレビューする「GP-510BP」を購入する資金に充てました。実はGP-310の購入を1年ほど前から考えていたのですが、給付金によって上位機種のGP-510BPとの差額を埋めることが出来るようになったので思い切って上位機種のGP-510BPを購入することに決めました。

電子ピアノを購入するためにいろいろとネットで調べたのですがなかなかユーザーの生の声というのが見つからなかったので電子ピアノ選びの参考にしてもらえるようこの記事を書きました。

目次

いくつもの候補から最終的にGP-510BPを選ぶまで

私は20年ほど前にRolandの電子ピアノを買いました。そしてここ数年(10年近く)ブランクがありながらもまた弾きたいという思いが2年ほど前から強くなり、新しい電子ピアノの情報を集め始めました。また弾きたくなったというのはビックカメラやヨドバシカメラで最新の電子ピアノに触った時に自分が買ったときとは比べ物にならないほど進化していたからです(そりゃ20年も経てば当然ですが…)。とくに木の鍵盤の感触に惚れ込んでしまいました。

RolandかKAWAIかCASIOか

まずはどのメーカーにするかを考えました。

ピアノといえばまずはYAMAHAですが、YAMAHAの電子ピアノの鍵盤は私にとってはあまり心地の良いものではなかったので除外しました。ハイブリッドピアノのNU1Xというものを触ったときはアップライトピアノそのものの構造なので鍵盤の感触はすばらしかったのですが、アップライトピアノとグランドピアノでは構造的に同音連打時の性能の違い(グランドピアノのほうが性能が高い)を考えるとわざわざアップライトピアノのハイブリッドピアノを購入する必要があるのかと疑問に思うところがあったのでやめました。グランドピアノに近づけたハイブリッドピアノもあるのですが、こちらは値段が高すぎて選択の余地がありませんでした。

ちなみにCASIO CELVIANOの連打性能をテストをする動画を見つけました。こういうのを見てしまうとハイブリッドならばグランドピアノの構造をもったもののほうが良いと思ってしまいます。

次は私がいままで使っていたRolandです。Rolandは以前購入して使用していたこともあり、メーカーとしての親近感はとても高いです。それに電子ピアノの最新テクノロジーはRolandから採用されるものが多く、他のメーカーが後追いをしてきた歴史を知り、今回も他にはない新技術が採用されています。それは「モデリング音源」です。他のメーカーは、例えばYAMAHAとKAWAIは自社のピアノの音をサンプリングしてそれを鳴らしています。しかし、この「モデリング音源」は鍵盤をタッチしたことによってその強さや長さ等から音を新たに作り出しています。つまり、演奏者が音色を作ることが可能なのです。これは録音された音を鳴らす今までの電子ピアノに革命をおこすすばらしい新技術です。この新技術に惚れ込んで「やはり今回もRolandかな…」と思いました。ところが、残念なことにRolandの電子ピアノは木の鍵盤ではありません。わたしが持っている20年ほど前の鍵盤からは相当な進化を感じ取ることができましたが、木の鍵盤の機種にくらべるとやはり…。鍵盤はもっとも触る部分だけにその感触だけは妥協することができませんでした。

次は木の鍵盤が大評判のKAWAIです。新しい電子ピアノが欲しくなった一番の理由はKAWAIの木の鍵盤の電子ピアノを触ったからだといっても良いです。KAWAIのピアノはYAMAHAのピアノの明るい音とちがって、ちょっと暗く、メノウな感じの音がします。このYAMAHAとKAWAIの音の違いは好き嫌いがはっきりわかれるようですが、私の場合はYAMAHAの明るい音よりもむしろKAWAIのちょっとメノウな感じの音のほうが好みなので逆に好都合です。というわけでKAWAIの電子ピアノが最有力候補のひとつです。

選んだのはCASIO

しかしながら実際に買ったCASIOです。正直に言うと私はCASIOというメーカーは安物のイメージ(ごめんなさい)があってあまり好きではありませんでした。しかし、「CELVIANO Grand Hybrid」シリーズは発表された当時から世界で評判だというというのを知っていましたし、なんと都合のよいことに2019年にマイナーアップグレードがされました。マイナーアップグレードといっても基本的にはほとんど変わらずに(ハイブリッドピアノの構造そのものは変わっていません)弱音から跫音までの音量変化と音色変化をブラッシュアップし、スピーカーを強化したぐらいの変化だけでした。それほど変更する必要がないほどに完成度の高いハイブリッドピアノだということがわかります。そして名実ともに世界No.1のピアニストのマルタ・アルゲリッチのエピソード(簡単に言えばとても気に入ったわけです)がまたこのハイブリッドピアノ(1世代前のGP-500の話ですが)の凄さを物語っています。はっきりいってこのエピソードを聞いただけでGP-510BPの購入を決定したと言っても良いくらいです。このアルゲリッチのエピソードによりKAWAIではなくCASIOの「GP-510BP」に決めました。ちなみに某カメラ屋でKAWAIの「CA-99」とCASIOの「GP-510BP」でそれぞれでスケールとハノンの1番あたりを弾いてみました。「CA-99」の場合はどの音もバラツキがなく結構綺麗に聞こえましたが、「GP-510BP」の場合は私の下手さが露呈して音に結構バラツキが目立ちました。上手い人が弾けば上手く、下手な人が弾けば下手な音がでるという練習させる気になる「GP-510BP」に決めました。

「GP-510」か「GP-310」か

実は「GP-510」と「GP-310」ではほとんど違いがありません。

一番大きな違いは見た目の違い(「GP-510」は鏡面仕上げ)ですが、私は鏡面仕上げでなくてもそのぶん安くなるならばそちらを選びます。

音質面での違いは「レゾナンス」です。

こちらのサイトを見るとレゾナンスのあるなしでの音の違いがよくわかります。こちらのサイトでレゾナンスの違いにお金を払う価値があるとおもえば「GP-510」をたいして変わらないと思えば「GP-310」に決めれば良いと思います。私は給付金のこともあり「GP-510」にしましたが、聴き比べなければ「GP-310」で十分だとも言えます。

GP-510BPの魅力

値段

CASIOの電子ピアノは安くてコストパフォーマンスが良いことで有名です。

この「GP-510BP」はおよそ40万円くらいで電子ピアノとしては非常に高価(といっても上で比較対象にした電子ピアノはどれもお高い)ですが、ハイブリッドピアノとして考えるととても安いことがわかります。「GP-310」ならばおよそ30万円くらいです。

YAMAHAのハイブリッドピアノ(グランドピアノの構造のものはN1Xでも65万円、あとは100万超えです。)とKAWAIのハイブリッドピアノ(グランドアクションだと90万円)の値段と比べると格段に安いことがわかります。

そして2015年発売の1世代前のモデルがをもらっていることもあり、2019年にはもうマイナーアップデートすることが出来るほど売れているということです。多くのユーザーの声をもとにマイナーアップデートされたこの「GP-510BP」はまさに買いです。

ベヒシュタインとのコラボレーションと3つの音色

これはYAMAHAとKAWAIのような自社でピアノを作っているメーカーには出来ないことです。ベヒシュタインの金のバッジが光っています。実際にベヒシュタインのヴェルナー・アルブレヒト氏を日本に呼んでがっちりと共同制作した真の意味でのコラボレーションです。このようにしてつくられたのは以下で紹介するベルリン・グランドの音色です。

また、ボタン一つでベルリン・グランド(ベヒシュタイン)、ハンブルク・グランド(スタインウェイ)、ウィーン・グランド(ベーゼンドルファー)というように世界3大ピアノの音に切り替えが可能です。とはいっても、実際には世界3大ピアノの音をサンプリングしたわけではなく、ベヒシュタインのピアノをサンプリングしたものをスタインウェイっぽくチューニングしたものと、ベーゼンドルファーっぽくチューニングしたものに切り替えているらしいです。ベーゼンドルファーはYAMAHA傘下になったのでYAMAHAのクラビノーバではYAMAHAの「CFX」とベーゼンドルファーの「インペリアル」のそれぞれからサンプリングして切り替えることができるようです。

上で述べたようにベヒシュタインとのコラボで生まれたベルリン・グランドの音色が私はもっとも好きで、ほぼこの音色で弾いています。ほかの2つの音色は私がほぼ(90%以上の割合で)ヘッドフォンを使用してひいているためかちょっとこもったように感じます。私の私感ですが、ベルリン・グランドは透明で癖のないナチュラルな音色で、ハンブルク・グランドは響きを強調した派手めな音色で、ウィーン・グランドは暗くメノウなしっとりとした音色です。私はほぼ(90%以上の割合で)ベルリン・グランドの音色を使用していますが、スケールの練習などで飽きてくるとたまに切り替えて気分転換をはかっています。

上手くない(下手な)人が弾くとどうなるのか?

上手い人の演奏はいくらでも見つけることが出来ます。

では上手くない人が弾くとちゃんと上手くないということが隠されずにちゃんと露呈するのかということが気になると思います。

そこで私の出番です(笑)。このブログでのレビューの真価は下手な人が弾いてどんな感じかを伝えられることにあります。これは下手な人にしかできないので競合がいない私だけの独壇場のレビューとなるはずです(笑)。

ということでハ長調(C major, C dur)のスケールとカデンツを弾いた「.wavファイル」をアップしておきます。せっかくなのでベルリン・グランド(ベヒシュタイン)、ハンブルク・グランド(スタインウェイ)、ウィーン・グランド(ベーゼンドルファー)の音色の違いも聴いていただきたいので3回演奏しました。同じものを弾いて音色の違いを聴き比べることが出来る機会はあまりない(公式サイトでは音色によって曲が違うので比較しづらい)のでそちらも参考にしていただけたら幸いです。

これらは「GP-510BP」から直接「.wav」で録音したもので音の加工などは全くしていません。

あと、録音したものではカデンツでのダンパーペダル(一番右のペダル)を踏みんだ時ノイズが聞こえないと思いますが、ピアノのスピーカーで音を鳴らす場合にはちゃんと聞こえます。ほぼヘッドフォンで弾いていたので今回久々にスピーカーから音をならしてちょっと感動しました(ヘッドフォンでは聞こえませんでした(もっと高いヘッドフォンならば聞こえるのかも?))。おそらくガヤガヤした家電量販店で試弾しても聞こえないと思われるのでその部分を補足しておきます。

ベルリン・グランド(ベヒシュタイン).wav
ハンブルク・グランド(スタインウェイ).wav
ウィーン・グランド(ベーゼンドルファー).wav

「.wavファイル」が聴けない環境の方は下の「.mp3」のものをお聴きください。

ベルリン・グランド(ベヒシュタイン).mp3
ハンブルク・グランド(スタインウェイ).mp3
ウィーン・グランド(ベーゼンドルファー).mp3

まとめ

CASIO GP-510BP
総合評価
( 5 )
メリット
  • ベヒシュタインとのコラボで産まれた。
  • アルゲリッチも気に入ったGP-500の後継機。
  • ベルリン・グランド(ベヒシュタイン)、ハンブルク・グランド(スタインウェイ)、ウィーン・グランド(ベーゼンドルファー)という3種類のピアノ音色が楽しめる。
  • 鍵盤はグランドピアノと同じ良質なオーストリア産のスプルース材に、同じ乾燥・加工を施し、形成したものを搭載している。
デメリット
  • 電子ピアノとしては高額(しかし、ハイブリッドピアノとしては安価です)。
  • ヘッドフォンで弾くと、ペダルノイズが聞こえない。
  • 鍵盤にカウンターウェイトがない。

とにかくこの「GP-510BP」(「GP-310」)はとても素晴らしいハイブリッドピアノです。悩んでいるならば買いで間違いないと思います。自信をもっておすすめします。

「GP-510」と「GP-310」で迷っているならば、せっかくなので「GP-510」をおすすめします。最上位機種なので買って後悔することはありません。

予算の関係で「GP-310」ならなんとかという方には、なんとかがんばって「GP-310」を選んで頂きたいと思います。他メーカーの同価格帯の電子ピアノとくらべてもこの「GP-310」のクオリティーはNo.1だと思います。コストパフォーマンスが最も良い電子ピアノといっても良いでしょう。20万くらいまでで考えているかたも+10万円程であきらかに違うグレードの電子ピアノであることは指弾してみればすぐにわかるのでぜひとも大手家電量販店などで実際にさわってみていただきたいです。

とにかくアルゲリッチのエピソードを読むだけでも買いだといえます。他社の電子ピアノと比べてカウンターウェイトがないなどとスペック上ではいろいろと短所をさがすことはできますが、そのような細かいことがふっとぶくらいの買い材料です。細々としたスペックのことは気にせずに素直にアルゲリッチを信じたほうが幸せになれるでしょう。

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