MASHはMaya2016のextention2で追加されて以降、ずっと気になってはいたものの触らずじまい(実際にはチュートリアルをちょこっと触ったことはある)のまま放置していました。
そんななか、なにか良さそうな講座はないかとUdemyを巡回していたところ、「Introduction to MASH for Maya Learn to create dynamic simulations with MASH for Maya」というものを発見しました。しかも星4.7(2023年9月時点)と高評価です。
ところが、この講座は英語(自動字幕あり)ということで受講すべきか迷いました。とはいえ、私は英語には自信がありませんが、Mayaの使用歴は長く、CG用語はほぼ英語ということもあり、思い切って購入に踏み切りました(さすがに全くわからないスペイン語などの場合はリスクが高いですが…)。
どのような講座か?
「Introduction to MASH for Maya」は題名の通り、MayaのMASHについてのイントロダクション(導入)講座です。
導入とはいえ、6つのレッスンそれぞれがバリエーションに富んだチュートリアルになっているので、手を動かして楽しく学ぶことが出来ます(私はドミノのチュートリアルがお気に入りです)。「このコースをプレビュー」を見ればMASHでどのようなことが出来るかわかります。
MASHは主にモーショングラフィックスで使用されることが多いので、Mayaで3Dのモーショングラフィックスを作ってみたい人には参考になります(そのようなチュートリアルもあります)。
英語について
英語については一応字幕(英語の自動字幕なので正確ではない)はついていますが、動画だけで内容は理解できるので必要以上に気にすることはありません。ちなみに「1080」=「ten eighty」を字幕では「ten E.T」となっていたりするところがありますが、問題ないでしょう。というわけで英語については心配する必要はありません(Mayaと3DCGについての知識があることが前提です)。
こういった経験は英語でも自分の得意な分野(私の場合は3DCGやMaya)の講座ならばちゃんと理解できるという自信につながります。
ただし、英語の講座でもリギングやスクリプティングの場合は苦労しそうです(そもそも動画の時間が長く、理解するのに日本語の講座の数倍かかってしまう)。でも、良さそうな講座もあるので機会があったら受けてみたいとは思っています。
おすすめする人
以下のような期待にこたえてくれます。
- MASHに興味はあったが、ほとんど触ったことがない人(まさに私のことです(笑))
- MASHでつくったもの(頂点カラー)をArnoldでうまくレンダリング出来ない人(Arnold初心者)
- Mayaで3Dのモーショングラフィックスを作ってみたい人
- MayaでFXをやってみたいけど、何からはじめたらよいかわからない人
MASHにほとんど触ったことがない人はこの講座でMASH導入への道を開きましょう。素直にチュートリアルをやるだけでも楽しいです。
MASHを使用した場合には、Vertex Colorをレンダリングする必要がある場合があります。そういったわけでArnoldでのVertex Color(頂点カラー)のレンダリング方法も学べます(チュートリアルで何回かこの手順を踏むので覚えやすくなっています)。「せっかくMASHで良い動きができたのにArnoldでのレンダリング方法がわからないからPlayblastで出すしか…」というのは非常にもったいないです。

3DCGでのモーショングラフィックというと、AfterEffectsが得意な人はCinema4Dのほうが良いでしょう。しかし、MayaとAfterEffectsというのも実は相性が良いのです。あまりAftterEffectsを毛嫌いしてはいけません。ただし、この講座ではAftterEffectsについては全く触れられていません。
MayaでFXをやってみたいけれど、何から始めたら良いかわからない場合は、まずはMASHからというのはおすすめです。MayaにはnParticle、nCloth、fluidなど様々なFXのツールがありますが、そのなかでMASHというものは取り掛かりやすいと思います。私はFXに関してよくわからない(だからUdemyで色々学ぼうと思った)のであまり参考にはならないかもしれませんが、この講座を終えただけでもMASHは色々なことが出来て想像力を刺激してくれる面があります。まずはMASHを使用していろいろ試してみて、それから他のものを学ぶのが良いのではないでしょうか(MASHにはDynamicsもあるので他のツールでも応用がきくはずです)。
おすすめしない人
基本的にMASHに興味がある人ならばおすすめできますが、以下のような人にはおすすめはしません。
- Mayaの操作がまだよくわからない全くの初心者
- Mayaを日本語UIでしか使えない人(メニューの位置は変わらないと思うので問題ないとは思いますが…)
- 英語アレルギーの人(基本的には音声や字幕の意味はわからなくても画面の通りに操作すれば出来ます)
- もうすでにMASHを使いこなしている人(そういう人には他におすすめの講座があります)
Mayaの操作がおぼつかない全くの初心者にはさすがに厳しいかもしれません。Outlinerで選択したものを非表示にするといった日常的な操作もわからない人にはさすがに無理です(画面から消えたからといって、非表示ではなくDeleteで消してしまったら先に進めません…)。そういった方はMayaの初心者向けの講座(こちらは日本語のものもあるので安心でしょう)もあるのでそちらから受講したほうが良いです。
Mayaは、海外の事例から学ぶことが多いために普段から英語UIを使用することをおすすめします。また、CG用語のほとんどは英語なために日本語版とはいってもカタカナになっているだけの場合もあり、それだったら最初からグローバルスタンダードの英語表記に慣れてしまいましょう。とはいえ、メニューの位置は同じはず(バージョンが変わればわかりませんが…)なので、不可能ではありません。
英語というだけで思考停止に「ダメだ!」となってしまう人にはここで何をかいたところでダメなんだと思います。
この講座ではMASHの基本的な使い方を学ぶのですでにゴリゴリにMASHを使いこなしている人には他によさそうな講座があります。それらについてはいずれレビューできればと考えています(お楽しみに)。
まとめ

- MASHの概要がわかる
- MASHを学ぶことによって他のシミュレーションを学ぶ上での基礎になる
- 日本語ではなかなか得られない情報
- 英語
- ドミノのレッスンで少しつまづく可能性がある
MASHについて学ぶのに非常に良い講座です。MASHの様々な機能を使い、様々なタイプのチュートリアルを進めることによってMASHの可能性を知ることが出来ます。
3DCGやMayaの知識があれば充分に理解できるので、「英語の講座」ということを必要以上に恐れないでほしいです。
Udemyで見てみればわかるように、日本語の講座に比べて英語の講座の場合はたくさんあります。
そういう意味でも、英語の講座を恐れずに受けてみるという経験も必要かなと思います(この講座にかぎらず他のものでも)。
ただし、理解できなくて挫折する恐れもあるので、興味のある講座が他にあったとしても、まとめて購入したい気持ちを抑えて、とりあえず、まず1つ受講してみることをおすすめします。
英語の講座でも理解できるという自信がもてれば、今後学習において世界がいっきに広がります(日本語ソースの学習だけでは限界があります)。
※ちなみに私がこの講座を受けた動機は、次の講座「Create animated avatars with MASH for Maya」を受けるために前もってMASHについて学んでおきたかったからです。


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