PS4末期の傑作Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)でプラチナトロフィーを獲得したのでレビューを書きます。このゲームより少し前に発売された「THE LAST OF US PART II」とともにPS4のラストを飾るにふさわしい素晴らしいゲームなので機会があればぜひ両方遊んでいただきたいところです。とはいえ、ラスアス2については賛否両論ある問題作でもあります。人によっては不快な思いをする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この「Ghost of Tsushima」に関しては誰にでもおすすめ出来るような極上のエンターテイメントです。どちらか一つと言われれば迷いなくこの「Ghost of Tsushima」をおすすめします。
ラスアス2についてもプラチナトロフィーレビューを書いているので興味のある方はぜひそちらも読んでみてください。

オープンワールドの時代劇
この「Ghost of Tsushima」を一言で説明すると見出しのとおりです。
オープンワールドの西部劇としては「レッド・デッド・リデンプション2(RDR2)」があります。西部劇と時代劇という映画でも関連性の高いこれらのジャンルはゲームでも同じように似ている部分が多々あります。そういうわけでRDR2が好きだった人にはこの「Ghost of Tsushima」も楽しめるでしょう。日本人としては西部劇よりも時代劇のほうに馴染みがあるのではすんなりと世界観へ入っていけるはずです。
ただRDR2のほうはロックスター・ゲームスによるとてつもないクオリティーに仕上がっているので、ゲームのクオリティー(特に技術面)においては数段上です。しかし、銃撃戦による戦闘メインのRDR2よりも剣戟アクションによる一対多の戦闘や一対一の決闘などバリエーションに富んでおり、アクションゲームとしての面白さは「Ghost of Tsushima」の勝ちです。
そして発売日の近い「THE LAST OF US PART II」とも比較してしまいたくなります。こちらもゲームのクオリティー(主に技術面)としてはラスアス2のほうが数段上です。「Ghost of Tsushima」のほうは地形にはまって動けなく(ファストトラベルで脱出可能でしたが)なることが数回ありました(自分から危なそうな地形に入っていったのですが…)。そういえば「Fall out 3」でも似たような問題がありましたが、ゲームがあまりにも面白かったのでそのようなことを問題にして責められることがほとんどありませんでした。この「Ghost of Tsushima」も同じようなことが言えます。このゲームとして面白いという部分がラスアス2との最大の違いです。ラスアス2は大変すばらしいゲームでしたが、ゲーム中に面白いと感じたことは正直言って皆無でした(でもトロコンまでやったわけなので決してつまらなくて退屈だったわけではありません)。しかし、この「Ghost of Tsushima」にはゲームの面白さを思い出させてもらった思いがあります(ゲームってやっぱり面白いものなんだな…と何度も再認識させられました)。ラスアス2の直後に遊んだゲームだったので一時的にゲームの面白さを忘れてしまっていただけなのかもしれません(笑)が…。
黒澤モードはおすすめできない
モノクロでフィルムノイズのようなフィルターまでかけてある黒澤モードがこのゲームの売りのひとつですが、私個人としてはこれはおすすめできません(ちょっと試してみることはおすすめです)。
黒澤モードはたしかに雰囲気が出て良い感じではあります。しかし、良いのは雰囲気だけでデメリットのほうが多いです。
まず、色がないので情報の可視性が著しく悪くなります。マップを開いて赤い印がまだ攻略していない蒙古の拠点でグレーアウトしたものは攻略済みの拠点だとひと目でわかりますが、モノクロだと濃淡で違いを表しているのでじっくりと見ればわかりますが、一瞬では把握できません。他にも色による情報を失うことでゲームプレイ上の不都合がいろいろと噴出します。色というものの情報量と認識のしやすさがどれほど大きいものなのかを教えてくれます。
本題はなによりもこのゲームの最も美しいところは「色彩」です。この色彩がすべてグレーの濃淡に置き換えられてしまうのはあまりにもったいないことです。日本人だとなかなかそういうものには気づきにくいものですが、印象派の画家たちが日本の浮世絵の色彩の美しさに憧れたというのを少し実感することができます。外国人から見た日本の風景というものを疑似体験できるのです。そうやって日本を再発見することができます。しかも、このゲームでは日本の風景の美しさをカラーグレーディングでより一層引き立たせています。この色彩豊かな日本の風景を疑似体験できないという点で黒澤モードはおすすめできません。できることならば日本に憧れ続けたゴッホにこのゲームをプレイしてもらいたいほどです。いったいどんな感想を述べるのでしょうか。妄想はつきません。とにかくこのゲームの色彩の豊かさを楽しみましょう。
このようなゲームはできれば日本で作ってほしかったというの思いもあります。しかし、日本でつくった場合にはこれほどまでに色彩豊かになったかどうかは正直疑問です。この色彩を表現できたからこそ海外で作られた意義があるように思います。また、日本で作った場合にはいわゆるポリコレの問題が心配です。海外でもごく一部の人がポリコレの問題を指摘しているようですが…。今の所日本では海外のゲームということで特にそういった声は聞こえません。このように様々な状況を踏まえるとやはり日本で作ることは難しいのだと思われます。
獲得するのに苦労したトロフィー
このゲームは基本的に取り返しのつかない要素はないので気を使わずにトロフィー収集に専念できます。そして、オープンワールドのゲームでは大変な場合も多い収集系のトロフィーはこのゲームに関してはそれほど数が多いものはありません。地域にある蒙古の拠点をすべて開放するとその地域にある未発見の場所が「?」で記されるので特別に探索に時間を費やす必要はありません。そのようなわけでこのゲームはプラチナトロフィーを獲得しやすいゲームです。このゲームが気に入ったならばトロコンを狙ってみてはいかがでしょうか。
急降下

敵を崖から突き落として倒すと獲得できます。崖のある場所で戦う機会はそれほど多くないので狙わないと取れないトロフィーといえます。敵を吹っ飛ばすスキルを早めに手に入れてこのトロフィー獲得に備えましょう。
八面六臂

こちらも備えがいるトロフィーです。一騎打ちで5人連続で倒せば良いのですが、条件が揃わないと5人連続で一騎打ちをすることができません。
まずは一騎打ちのスキルを最大限まで強化して「3人」まで戦えるようになります。次に境井の鎧を最大限まで強化すると追加で「2人」戦えるようになり、合計「5人」まで戦えるようになります。
一騎打ちのスキルと境井の鎧の強化を優先して上げることをおすすめします。上の崖で戦うよりもチャンスは多いですが早めに獲得したほうが精神的に楽になります。
目に見えぬ誉れ

これはお辞儀の看板のところで10箇所お辞儀をするというものです。PS4のタッチパッドを上から下になぞるとお辞儀をします。攻略サイトで場所を調べて回れば苦労することはありません。実は獲得するのに苦労するトロフィーではないのですがSSがきれいに撮れていたので思わず載せてしまいました(笑)。
助太刀参上

すべての浮世草(サブクエ)をクリアすると獲得できます。浮世草はたくさんあるので地道に進めるよりほかはありません。
どのようなひとにおすすめか
PS4のサイクル終末を飾るにふさわしいゲームなのでPS4を持っている人すべてにおすすめできます。おそらくこのゲームでPS4のゲームは最後という方も多いかと思います。わたしもこの後PS4で新たに遊ぶゲームの予定はないのでこのゲームが最後になる可能性が高いです。これからは多くの時間を共にしたPS4に感謝し、様々な思い出に浸りつつPS5に備えたいと思います。ラスアス2も最後にふさわしいゲームですが、後味の悪さが多少気になるので「Ghost of Tsushima」の方を最後にしたほうが良いでしょう。ゲームの楽しさを思い出させてくれます。
こちらもPS4を代表する傑作です。PS4世代ではGTAの新作が出なかったのでこちらをどうぞ。

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