今までは主にPlaystation3,4,5のゲームをレビューしていましたが、今回は初めてNintendo Switchのゲームです。
今ではスマブラに登場するキャラということ以外は知らない人のほうが多いと思われるサムスが主人公のメトロイドシリーズ最新作「METROID DREAD(メトロイド ドレッド)」を扱います。
METROID Other M 以来のメトロイド
「メトロイド・ドレッド」は「メトロイド・サムスリターンズ」以来19年ぶりの新作とのことですが、私にとっては2009年に発売されたWiiUの「METROID Other M」以来のメトロイドということになります。しかし、任天堂のサイトを見てもこの新作メトロイドが発売されるにあたって過去作としてOther Mについては言及されていないので正当なメトロイドではない(Team Ninja制作ということもあって?)ということなのでしょうか。
そんな「Other M」に関しては正直に言って面白かったという印象はないです。当時はファミコンのディスクシステムの初代メトロイドが好きだったので久しぶりの2Dメトロイドということで楽しみにして買ったのですが、「2D探索アクションというゲームはもう時代遅れなのか…」と思った記憶がうっすらとあります。
というわけで発売当初は「METROID DREAD」を買うつもりはありませんでした。が、ネットでの評判が非常に良いことに初代メトロイドが好きだった心に火が点き購入へと至りました。
伝統の2D探索アクションに死にゲー要素の追加で古さを感じさせない

「Other M」との違いは2D探索アクションとしてのゲームの完成度の違いです。
「METROID DREAD」はレベルデザインが長時間かけて行われたと思われる職人レベルでの細部に渡ってのブラッシュアップです。
オープンワールドのゲームに慣れていると、ゲーム中のマップを隅々まで探索するということはまずありません(というよりも膨大に時間がかかり過ぎるために最初から諦めている)。また、3Dのゲームの場合は探索するとなると何気なく置いてあるオブジェクトであっても360度カメラの角度を変えて隅々まで調べなければならず、一つの部屋を調べるだけでもかなりの労力を要してしまいます。
というわけで初代メトロイドをプレイしていた頃には思いもつかなかった2D探索ゲームの利点というものを長い時を経て教えられることになるとは、なんとも感慨深いものがあります。
E.M.M.IというDREAD(恐怖)の存在。
今までのメトロイドと違う点は「E.M.M.I」というほぼ無敵キャラの存在です。
無敵キャラというと思い出すのが最近アーケードアーカイブスで配信になったマッピーに永久パターン防止キャラとして登場する「ご先祖様」です。下の動画では3:53頃に登場します。
こういった対処方法が逃げるだけの敵キャラクターの存在はストレスでしかないのも事実ですが、マップ画面を隅々まで見るようなゆったりした時間との対比でゲームにスピード感と緊張感を与えています。また、古いタイプのゲームである「METROID DREAD」にはこのように昔のゲームを思い起こさせる効果的なギミックにもなっています。
ゲームプレイ中での「E.M.M.I」については、初見のマップの中を逃げまわななければならないので死にゲー要素の一つになっています。ちなみにもうひとつの死にゲー要素はボスがとても強いので何度も戦わないと攻略法をみいだせないところです。
どういう人が買うべきか?
メトロイド オモロイド

当然のことながら、昔からのメトロイド好きはマストバイです。
私が知る限り( 2Dメトロイドのシリーズの中では「メトロイド・サムスリターンズ」 は未プレイですが…)2Dメトロイドの決定版であるこの「METROID DREAD」を遊ばない理由がありません。
次に、なんと言ってもサムスのことをスマブラでしか知らない人にこそぜひ遊んで欲しいです。このゲームを遊べばサムスとは何者なのかがわかり、今後スマブラをより楽しく遊ぶことができます。
シリーズものというとストーリーの繋がりがわからないから途中からは入りづらいというのは確かにその通りなのですが、このメトロイドにおいてストーリーを熟知している人はほとんどいないといっていいでしょう(19年ぶりの新作ということですから)。それでもストーリーが気になる場合にはYoutubeでメトロイドのストーリーを解説している動画があるのでそれを観れば問題ないです(私も「メトロイド・サムスリターンズ」をプレイしていないこともあり、動画で予習(復習?)しました)。個人的にはサムスが女性であるということがメトロイド最大のネタバレであり、スマブラをやっている人ならばすでに知っているので問題ないでしょう。
最後にこのゲームが向いている人は、いわゆる死にゲーと呼ばれる難易度の高いアクションゲームが好きな人。デモンズソウルやダークソウルとはかなり違ったタイプのゲームですが、ボスが強いので緊張感のある戦いが出来ます。ボス戦は何度も挑戦することによって相手の攻撃パターンや弱点(戦い方)がだんだんわかってくるという絶妙なバランスになっています。安易なゴリ押しは通用しないので、相手の攻撃を避けることを最優先にして戦い方を探ってゆくのが攻略の近道です。

良い点
- メトロイドというゲームの未だに色褪せないオリジナリティー。
- 2Dだからこその探索が楽しい。
- 歯ごたえのあるボス戦。
- 任天堂らしいゲーム。
2Dアクションとして考えると古いタイプのゲームですが、今の時代のゲームとして作られているので遊びにくいところはありません。オープンワールドのゲームが沢山ある中でその対極に位置するこの「METROID DREAD」はとても新鮮です。しかも、2D探索アクションというゲームはメトロイドシリーズ以外に傑作は思い浮かばないので、そのオリジナリティーは未だに健在です。
2Dのゲームだからこその探索の楽しさは上のほうでも指摘しました。新たなアイテムを入手したときに、今まで行けなかったあの場所に行けるのではないかと考えるのが楽しいです。
難易度の高いボス戦(探索部分についても)はできれば攻略サイトなどを見ないでクリアしたいところです。このあたりはゼルダの伝説シリーズ(アクションはこのゲームほど難しくはありませんが)に通じるものがあります。
任天堂のゲームは子供向けというイメージもあり、ゲームをほとんど遊ばない人には簡単なものと思われているふしがあります。しかし、高難易度でありながらもなんとか攻略できる絶妙な難易度のゲームを昔から作り続けているからこそ、任天堂が世界一のゲーム開発会社である所以です。ということでこの「METROID DREAD」は非常に任天堂らしいゲームです。
悪い点
- ロード時間が長い。
- ボス戦が難しすぎる。
- PS5やPS4に比べるとグラフィックが劣る
PS5になれてしまった体からすると、エリア移動のロード時間の長さが気になります。かつてはロード時間の長さを嫌ってPlaystationのCD-ROMに対抗して、Nintendo64をカートリッジで出していたというのに今では関係性が逆転してしまいました。しかし、PS5とは値段が違うので仕方がないことではあると理解はしていますが、PS5に慣れていしまうとそのような感覚になってしまいます。
高難易度のボス戦が楽しいとはいえ、アクションゲームが苦手な人には相当厳しい難易度でもあります。ということでアクションゲームがダメな人にとってはストレス以外の何物でもないかもしれません。
グラフィックに関してはPS5やPS4に慣れていると流石に前時代的に感じてしまいます。Nintendo Switchのグラフィックでもスーパーマリオオデッセイではそのようなことは全く感じなかっただけに少し残念に思わないこともないです。しかし、このゲームの魅力はグラフィックではないのでこのゲームを買わない理由にはなりません。

- メトロイドというゲームの未だに色褪せないオリジナリティー
- 2Dだからこその探索が楽しい
- 歯ごたえのあるボス戦
- 非常に任天堂らしい
- ロード時間が長い(PS5にんたれていると辛い)
- ボス戦が難しすぎる
- PS5やPS4に比べるとグラフィックが劣る
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