Davinci Resolve Fusionでコンポジット(基礎編)

作業完成画像Fusion

Davinci Resolve Fusionでコンポジットを行う上での基礎編です。

Davinci Resolve Fusionを使用するとノードベースのコンポジットを行うことが出来ます。AfterEffectsを使用する場合はレイヤーベースになってしまうので3DCGアプリケーションで素材ごとに分けてレンダリングしたものを再構築する場合にはわかりづらい部分があります。AfterEffectsも素晴らしいアプリケーションですが、このようなニッチな用途ではDavinci Resolve Fusionが優れています。

また、将来業界標準ツールのNukeを使用したいと思っている場合もノードベースのコンポジットの手法にこのDavinci Resolve Fusionで慣れておくことは悪くない(というより非常に良い)方法だと思います。

ここでは、前回の記事でMayaのArnoldでレンダリングしたopenEXR(diffuse, spedular, coat, transmission, sss, volume, emission, background)のファイルをDavinciResolveのFusionを使って実際にコンポジットをしてbeautyパスを作成します。

MayaのArnoldでAOVの出力基礎編
MayaのArnoldでAOVにわけてレンダリングし、Davinci ResolveのFusionでコンポジットする方法
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なぜ、AfterEffectsではなくてDavinci ResolveのFusionなのか?

3DCGをやっている方ならばAfterEffectsを使用する機会は多いと思います。
PremiereとAfterEffectsだったら一般的にはAfterEffectsはPremiereを使いこなしている上級者が何か特殊なことをやるためにつかうアプリケーションだと思われています。たしかにその通りなのですが、3DCGアーティストの中にはPremiereはほどんど使わないし、たいした高度な機能は使わない(使えない)けれどAfterEffectsを使っている人は多くいます。私も同じ口です。AfterEffectsで連番ファイルを読み込んで画ブレをつけたり、音をつけたりして動画ファイルに書き出すようなことはよくやります。
しかし、私はあまりAfterEffectsに詳しくありません。AfterEffectsでopenEXRのファイルの扱い方もよくわかりません(8bit画像と32bit画像の扱い方とか表示の仕方などなど)。それに3DCGでコンポジットというとNukeのようなノードベースでの合成に憧れがありました。そして、AfterEffectsのグラフエディターは3DCGアーティスト(特にアニメーター)には非常に使いづらくストレスが溜まるのです。
Davinci Resolveは15になってから別のアプリケーションであったFusionを取り込んで一つのアプリケーションになりました。それ以前はFusionでコンポジットして連番の8bitファイルで出力したものをAfterEffectsにもっていって作業していましたが、いまではDavinci Resolveだけで完結することも可能になったのです。また、Davinci Resolveはカラーグレーディングに強いということで動画編集界隈の人々からも多くの支持を受けています。そして、なによりDavinci Resolveは無償版があるので誰でもすぐに使うことができます。
さあ、これでもうDavinci ResolveのFusionを使わない理由はなくなりました。
まだ持っていない方はDavinci Resolveをダウンロードしてインストールしましょう。

3DCGアーティスト向けのDavinci Resolve Fusionの解説やチュートリアルがほとんどない

Davinci Resolveは無料で使えます。しかもカラーグレーディングに非常に強い編集アプリケーションなのでとても注目されています。ということで今では使い方を解説しているサイトは結構増えてきました。Fusionの解説はまだ少ないですが実写合成での使い方の解説ならばYoutubeの公式などでも解説しています。しかし、3DCGアプリケーションでレンダリングしたopenEXR画像をコンポジットしてbeautyパスを再構築するなどという解説を日本語でしているものは見つけることができなくてFusion単体でコンポジットをしていた頃の私は調べるのに苦労しました。このような用途は相当ニッチな分野でもあるため仕方がないといってしまえばそうなのですが、こんな基本的なことで同じ苦労をする人を出さないためにDavinci Resolve使いでもFusion使いでもコンポジターでもない私ですが記事にすることにしました。専門分野外のことなのでもっといいやり方もあるでしょう。そのような場合は指摘していただけると私だけでなく他の人の助けにもなると思うのでぜひお願いいたします。
Blackmagic DesignのDavinci Resolveのダウンロードはこちらから(別タブで開きます)。

Davinci Resolveを起動してFusionを立ち上げるまで(ここからが本題です)

注:Davinci Resolve16を使用しています。
実際に作業をしながら学習したい方はこちらからopenEXRの連番ファイルをダウンロードしてください。

  1. Davinci Resolveを起動し、解像度960*540、24fpsで新規コンポジションを作成します。
    コンポジション設定
  2. メディアに読み込みます。
    メディアビンに読み込む
  3. 読み込んだメディアをエディットのタイムラインに配置し、Fusionを立ち上げます。
    エディットへ並べてFusionへ

ここでBlack magic Davinci Resolveの公式YoutubeチャンネルにFusionの基本操作を簡潔に説明している動画があるので初めてFusionを使う方はこちらを御覧ください。

Fusionでの実作業(Davinci ResolveとFusionについてある程度知っている方はここからお読みください)

Fusionを立ち上げるとmediaInとmediaOutに線がつながっている状態。
mediaInには連番のopenEXRファイルが入っています。mediaInを選択して画面右側にあるInspectorのFileを選択してChannelsを開くとRGBの各カラーチャンネルとAのアルファチャンネルが読み込まれています。
exrのAOVを読み込む
つまりこれがアルファチャンネル付きのビューティーパスです。しかしながらこのチュートリアルではわざわざAOVに分けてレンダリングした素材(diffuse, spedular, coat, transmission, sss, volume, emission, background)を加算してこれと同じ絵を出します。なぜそんな面倒なことをするのかというと、たとえばレンダリングするときにspecularの設定が甘くノイズが乗ってしまった場合、すべてをレンダリングし直すよりもspecularだけをレンダリングしなおしてコンポジットすればレンダリング時間が少なくて済むからです。また、ライトパスごとにレンダリングすることによってコンポジット段階でライトの強さや色を調整できるようになります(こちらのほうが有用だと思うので別の記事でやりかたを説明します)。とりあえず今回はコンポジットのやり方を覚えてください。

せっかくアルファチャンネルがあるので背景画像を作成してそれを背景として合成します。下の画像を参考にしてBackgroundとMergeとGmutを追加してこのようにつなぎます。
背景とsRGBに変換
Mergeにあるような黄色い三角がバックグラウンド、緑がフォアグラウンド、青がアルファチャンネルをつなぐようにします。今回のようにアルファチャンネルを含んだRGBA画像を接続している場合は青に接続する必要はありません。Gumutを使ってリニアの32bitのopenEXR画像をモニターでみるガンマ2.2のsRGBに変換しています。Backgroundの色はRGBすべて0.5にして50%グレーにしたのですが、リニアとガンマ2.2で明るさが全然違うのがわかると思います。

少しもったいないですがmediaOut1とGumut以外をすべて削除します。Add tool > I/O > LoaderでopenEXRファイルを読み込みます。diffuse_passとspecular_passとcoat_passとsss_passをそれぞれのRGBにdiffuse_R、diffuse_G、diffuse_Bといった具合に入れます。アルファチャンネルはAのままで大丈夫です。そしてそれぞれのパスを完成画像のようにMergeで加算します。ちなみに完成画像では背景は最後に合成しました。
しかし、ここで少し問題があります。なんとMergeのInspectorのApply Modeの中にAdd(加算)がないのです。
Addがない!
AfterEffectsならば加算で簡単に済むのにどうして…。なんとFusionで加算する場合は、Subtractive/AdditiveのスライダーをAdditiveにして数値は1.0に(デフォルトでそうなっているので特に気にする必要はありません)して、その下のAlpha Gainのスライダーを右端までうごかして1.0にします。
merge_add_setting
すると加算になるのです。分かりづらい。非常にわかりづらいですがそういうことなのです。減算の場合はSubtractive/AdditiveのスライダーをSubtractiveの1.0にして、Alpha Gainを1.0にします。つまりAlpha Gainの値を1.0にしてSubtractiveかAdditiveかを選べば減算か加算になります。これがわかるまでに私は少し苦労したのでこれを読んでいる方はここが一番のポイントだと思ってよく覚えておいてください。あとは完成画像のようにノードを繋げば完成です。

もっと有用な方法

前にもちらっと書きましたが、今回のやり方でbeautyパスを再構築する方法よりも有用な方法があります。物理ベースのレンダリング(PBR)ではlookDev段階でちゃんと質感を詰めるが大事です。そうすればライトごとにパスを分けてレンダリングをしてコンポジット段階でライトごとに強さや色を調整できるようになります。コンポジットの過程でライティングを試行錯誤して調整することが可能になるのです。よって次回はライトごとにAOVにわけてレンダリングをして、Davinci ResolveのFusionでライティングの調整をするチュートリアルをやります。

Davinci Resolve Fusionでノードベースのコンポジット
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