2020年2月1日と2日にCGWORLDのアニメーションマスタークラスを受講しました。2日間に渡ってみっちりアニメーションデモとレクチャーを受けることができました。講師のMichal Makarewicz(マイカル・マカレヴィッチ)さんはピクサーでアニメーター(当時)として活躍されているだけでなく、Animation Mentor、AnimSchool、カリフォルニア美術大学、アカデミーオブアート大学サンフランシスコ校などでクラスを教えている教育者としても超一流な方です。よって教え方もとても上手でした。内容は質量とも文句なしで、私がいままで受講したセミナーや講義の中で圧倒的ナンバー1の内容でした。
アニメーションデモの部分は当然のことながらここに残しておくことはできませんが、レクチャーの部分は より理解を深めるためにこの場にアウトプットしようと思いました。様々な事情でこのアニメーションマスタークラスへ参加出来なかった方々の役に立つことができれば幸いです。また、アニメーションマスタークラスへ参加した方々の復習にも役立てていただければこれまた幸いです。
アニメーションやレクチャーでMichal Makarewiczさんはレイヤードアプローチのワークフローを解説されましたが、レイヤードアプローチについては別にまとめたいと思いますましたのでここでは触れません。

まず観客の視線はキャラクターの目を見る。ということで目のアニメーションのレクチャーから始まりました。
目はキャラクターの考え、感情を表します。
対象を探す(あたりを見る)→見つける→反応する
目で動きを追う動きは、スピードが速くないものを追う場合はゆっくり動きます。スピードが速いものの動きを負う場合はカクカクと動きます。
目には7つの動きがある(アニメーションでは3つ+1つ)
アイダート
アイダートについてはわかすぎものがたりのアイダートの項目に詳しく書かれています。
少し大きいアイダートならば2-3フレーム。ちょっとの場合は1フレーム。大きな動きは5-6フレーム。これがtypicalアイダートです。
アイダートはダイレクトに動きます。まぶたは連動します。
まばたき
1分間に7-15回。子供は2-3回。
怖いなどの感情が大きい場合はまばたきはしましません。
怒り、不安、混乱などの状態では速くなります。逆に集中している時、退屈している時はゆっくりになります。矛盾しているようですが、怒っているときもゆっくりになる場合があります。
まばたきは思考プロセスの切り替えの時に入れると良いです。


上まぶただけをアニメーションさせていますが、分かりづらいかなぁ…。
まばたきの動きは開けるときに速いです。閉じているフレームは1フレームでも2フレームでもどちらでも良いです。開く時の上のまぶたが上につくときのイーズインをしっかりとりましょう(これがないとロボットみたいになってしまいます)。
上まぶたは虹彩の上にのっています。上まぶたは目の方向をサポートします。
下まぶたはものをよく見るときに使います。下まぶたは重力によって自然に下ります。下まぶたはテンション(感情)をより出します。
瞳。感情、恐れ、悲しみなどを表すことができます。瞳は広いほど魅力的です。安心すると広がります。人間は虹彩の部分の大きさは変わらないがアニメーションの表現で使うことは可能です。
まばたきの表現は物理的なものよりも感情的なものを優先させましょう。
Convergence と Divergence
Convergence。近くを見ると目が寄る。
Divergence。遠くを見ると目が離れる。
4つ目の動き
小さく目を動かす(揺らす)。実写では目は細かく動いています。アニメーションで行う場合は動かしすぎず、感じさせる必要があります。
一般的に 目 → 顔 → 頭 → 体 と連動して動きます。
一般的にまばたきと眉毛はコネクトしていません。
目の動きと連動する場合は上まぶたが下がる時に眉毛を連れてきます(下を見る場合)。
眉毛は他にやるべきことがある場合はそれを優先させます。
眉毛の形

内側のInnerと中側外にあるmiddleと一番外にあるouterに分かれています。またInnerとmiddleの間にシェイプを作るためのコントローラーがあります。
UP
眉毛を上げる動作。InnerとMiddleはよく上がります。Outerは少しあがります。
真ん中だけ上がる場合
相手のことが好きではなかったり感心がない場合にこのようになります。相手のことが好きであったり感心をもったりすれば内側も上がります。キャラクターデザインにもよるのでこの限りではありません。
Down
眉毛を下げる動作。まっすぐ下に下るだけでなく内側にも動きます。額の筋肉の繊維の方向にそって動きます。
In
眉間にシワを寄せる動作。
怒り、恐れ、悲しみ、集中、深い考え、困惑、嫌悪などの感情を表す時。
ニュートラルの状態
ニュートラルの状態をしっかり作っておくことで表情がわかりやすくなります。それはニュートラルの状態を挟んで他の表情に遷移することが多い(緊急で素早く変化する必要がある場合は例外です)からです。
例: 怒り→ゆるめる(ニュートラル)→考える
繋げた形のシェイプで考える
左右の眉毛を繋げた形(アイマスクのように捉える)で考えるとうまくいきます。
Connect your brows
SimplyとRealityを心がけましょう。
vol.2に続きます




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